大阪クラシック2008 《3日目》
9月9日(火)、仕事帰りにスターバックス コーヒーにてまず第31公演を聴く。
- シュポア/ヴァイオリン二重奏
- コダーイ/セレナーデ(ヴァイオリン2、ヴィオラ1 による三重奏)
その足で相愛学園本町講堂に移動。近藤浩志さんのチェロ、中川美穂さんのピアノで第32公演。
- カサド/親愛なる言葉
- ラフマニノフ/ヴォカリーズ
- マスネ/タイスの瞑想曲
- ピアソラ/ル・グラン・タンゴ
近藤さんは宮川彬良&アンサンブル・ベガのメンバーとしても大活躍。そう、NHKの子供向け音楽番組「クインテット」に登場するスコアさんのチェロは近藤さんが弾かれている。
特にスペインの作曲家カサドの作品、そしてアルゼンチンのピアソラがロストロポーヴィチのために作曲した「ル・グラン・タンゴ」が民族色と躍動感に富み、とても良かった。
ただ、「タイスの瞑想曲」が終わった時点で既に終了予定時刻の19時をまわっていた。チケットを購入している次の第33公演は19:30スタート。移動は本町から淀屋橋まで地下鉄に乗り、さらに徒歩7分の距離。間に合うのか?ここで近藤さんのお喋りが3分。その中でピアソラの所要時間が12分というお話があった。……焦る。でもこれだけはどうしても聴きたい。
「ル・グラン・タンゴ」が終わったのが19:15。その瞬間に立ち上がり出口に向けて猛然とダッシュをかけた。僕と同時に10人くらいが駆け出し、エレベーターに殺到する。
……そんなこんなで、なんとか19:28には会場の大阪市中央公会堂に到着。
第33公演は大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団の弦楽セクション15名による演奏。これは有料公演(500円)の中で真っ先に売り切れたそうである。
まずコンサートマスターの長原幸太さんと、第2ヴァイオリン・トップの佐久間聡一さんのソロ、そして大植さんのチェンバロ&指揮で、
- J.S.バッハ/2つのヴァイオリンのための協奏曲
そしてアンコールはふたりの2重奏(+2重唱のオマケ付き!)で聴衆をたっぷり笑わせ、
- モーツァルト/歌劇「魔笛」〜夜の女王のアリア
次にふたりもアンサンブルに加わり、
- グリーグ/ホルベルク組曲
感興豊かで非常に美しい演奏であった。通常とは逆に、佐久間さんが1st.を取って長原さんが2nd.に下がるという趣向も面白かった。
アンコールは、
- ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウス/ピチカート・ポルカ
- モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス
「ピチカート・ポルカ」では大植さんは殆ど指揮をせず、佐久間さんが奏者全員に出だしの合図を送った。これがまたタイミングが全然合っていなかったのだが、それが却って微笑ましかった。長原さんもリラックスしてとても愉しそうで、会場は和気藹々とした雰囲気に包まれた。
「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は大植さんが大好きな曲だそうで、「僕の葬式には是非これを流して欲しい」と。実はこれ、大植/大フィルがヴェルディのレクイエムを取り上げた定期でもアンコールで演奏された。その時も大植さんは同様のことを仰っていたので、きっと本心なのだろう。定期は合唱付きだったが今回は当然弦のみ。それでも曲本来の価値は些かも損なわれることなく、心に染み渡った。
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