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落語でお伊勢参り

お伊勢参りにちなんだ落語の数々と、そのゆかりの地を噺家の桂 文我さんが訪ね歩いた模様を収録したDVDブック刊行を記念して、落語会がワッハ上方で催された。

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文我さんはその著書《落語「通」入門》(集英社新書)の中で師匠・桂 枝雀さんから言われていたことについて、次のように書かれている。

師匠から常々「最近は米朝師匠(枝雀の師匠)のように、落語の資料を集めながら、落語の歴史も熟知した上で本を著せるようなタイプの噺家がいないから、米朝師匠の万分の一でもいいから、そのジャンルを押さえなさい」という言葉を受け、少しずつ演芸関係の資料を集めながら、落語の周りの事柄も調べさせていただきました。

今回の企画も正にその言葉を実践された内容と言えるだろう。

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上方落語の旅ネタは「東の旅」、「西の旅」、「南の旅」、「北の旅」の四つに分かれる。お伊勢参りは「東の旅」。全部続けると相当な大河落語になるが、今回演じられたのはその《行き》の行程。《帰り》の旅を描くのが「こぶ弁慶」「三十石」などである。

まず前半の部では大阪を発って伊勢神宮にいたるまでの珍道中を描く落語五席がリレー形式で披露された。

  • 桂まん我/東の旅発端
  • 桂阿か枝/煮売家
  • 桂   米平/七度狐
  • 桂   宗助/うんつく酒
  • 桂   文我/軽業講釈

こうやってまとめて聴く機会は滅多にないことなので、貴重な体験だった。「軽業講釈」は、しばしば高座にかけられる「軽業」に、講釈師を登場させる珍しい噺。故・桂文枝(五代目)が得意としていたものらしい。とても面白く聴いた。

後半はDVDを上映しながら、文我さんと関係者のトークを交える形式で進行。当時の旅を偲んだ。

師匠からの教えを守りながら、落語という上方の文化遺産をしっかり後世に伝えようという文我さんの真摯な姿勢が胸を打つ一夜であった。

九雀さんの記事でも書いたけれど、文我さんも枝雀一門なので上方落語協会に所属せず、その高座を天満天神繁昌亭で聴く機会はない。大変残念なことである。

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コメント

桂文我が落語DVDお伊勢参りを出されて、東の旅落語を紹介されています。
残念ながら伊勢街道を案内するのはよしとして、革靴、洋服だったが惜しい。

せめて、昔の旅風俗で歩いて紹介して欲しかったですね。

文我さんの案内部分の観光案内的な三輪そうめん、酒屋、餅やなどは伊勢街道の資料的な歴史上からは不要だったかも知れません。

投稿: 茜屋治兵衛 | 2016年8月 1日 (月) 12時07分

茜屋治兵衛さん、コメントありがとうございます。お伊勢参りのDVDブック買いました。

仰ることはわかりますが、熱放射の強いアスファルトの道を下駄・雪駄を履き、着物姿で歩くというのは拷問に近いのではないでしょうか?

投稿: 雅哉 | 2016年8月 1日 (月) 13時03分

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