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関西吹奏楽コンクールを前に

先日、一般前売りが一切ない関西吹奏楽コンクール(高等学校A)のチケットが某オークションに出品され、定価1,200円のところ2,900円で落札されていた。

僕は幸にも正規料金で入手することが出来た。チケットを譲ってくださった方の恩に報いるため、そして会場に入ることが出来ない多くの人々のためにも一生懸命、当日のレポートをしたいと想う。本番は8/28(木)である。

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今年の関西吹奏楽コンクール(高等学校A)では、バルトーク/バレエ音楽「中国の不思議な役人」を3校が取り上げることが注目される。四條畷学園高等学校を指揮する伊勢敏之さんは同曲を創価学会関西吹奏楽団で振り、全国大会金賞を受賞されている実力派。なお、伊勢さんはトロンボーン奏者でもあり、延原武春/テレマン室内管弦楽団のベートーヴェン・チクルスにも参加されていた。天理高等学校向陽台高等学校も「中国の不思議な役人」に挑む。

一方、過去自由曲人気ラインキングでツートップの「ローマの祭」(全日本吹奏楽コンクール演奏回数90回)と「ダフニスとクロエ」(同88回)を今年の関西大会では一校も取り上げてないというのも面白い現象である。

大阪府立市岡高等学校を指揮する潮見裕章さんは大阪シンフォニカー交響楽団のチューバ奏者。公式サイトはこちら。市岡の自由曲はG.プッチーニ/歌劇「トスカ」より

大阪桐蔭高等学校吹奏楽部は、創部2年目で全日本吹奏楽コンクールに出場(銀賞)を果たした。ここによると環境も恵まれている。公立の中学校で優秀な成果を上げた吹奏楽部顧問の先生を迎えるという手法は福岡工業大学附属城東高等学校に似ている(前顧問の屋比久 勲先生は沖縄県の垣花・真和志・石田・小禄・首里の各中学校を経て城東へ、現顧問の武田邦彦先生は北九州市立沼中学校を経て城東へ)。桐蔭は甲子園で8/18まで野球の応援していたが、テレビの解説によると演奏していたのは主にマーチング組だそうで、コンクール組にその影響はなさそうである。

洛南高等学校を指揮されるのは、この吹奏楽部出身の池内毅彦先生。今年、自由曲にD.ブージョワ/古の都フリブールという珍しい曲を持ってきた。洛南は伝統的に大阪市音楽団が定期演奏会で初演した曲を自由曲に選ぶことが多かったが(昨年のP.スパーク/宇宙の音楽など)、今年は池内先生の独自色を打ち出されたということだろうか?大いに期待したい。

昨年、全日本吹奏楽コンクールで悲願の金賞を勝ち取った小野川昭博/明浄学院高等学校F.リスト/バッハの名による幻想曲とフーガ(田村文生 編)。これは昨年全日本吹奏楽コンクール光ヶ丘女子高等学校(愛知県)が演奏し、金賞を受賞した曲。元々はB-A-C-H(シ♭-ラ-ド-シ)の音列を基にしたピアノ曲で、「饗応夫人」で有名な田村さんの魔法に満ちたアレンジが素晴らしい。

近畿大学附属高等学校を指揮する小谷康夫さんは大阪シンフォニカー交響楽団のティンパニ首席奏者。小谷さんの公式サイトはこちら。自由曲のJ.マッキー/レッド・ライン・タンゴは、昨年全日本吹奏楽コンクール高知県立高知西高等学校が演奏したのを聴いた。ABAオストワルド作曲賞(2005年)を受賞したプログレッシブ(先鋭的)ジャズ・ロックみたいな大変面白い曲。また聴けるのが今からとても愉しみである。

丸谷明夫/淀川工科高等学校(淀工)の自由曲は大栗裕/大阪俗謡による幻想曲。言わずと知れた丸ちゃんの十八番である。記事「続・大阪俗謡をめぐる冒険~究極の名盤はこれだ!!」にも書いたが、丸ちゃん/淀工の演奏で過去最高だったのは1989年全日本吹奏楽コンクールの実況録音。2005年の演奏は水も漏らさぬ鉄壁のアンサンブルで確かに凄いのだけれど、一方で「大阪俗謡」という祭の音楽に、フランス印象派の音楽みたいな精緻さは余り似合わないなとも感じられた。

僕が今年の淀工生に期待したいのは高校生らしい伸び伸びとした演奏、生き生きした表現で'89年版の《祭の熱狂》を超えるものを是非聴かせて欲しいということである。

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コメント

おひさしぶりです。

今年は初めて私も母校、滋賀県立石山高校の吹奏楽部を県予選後3回ほど指導しました。(本番指揮者は顧問の先生です)
他の名門の皆さんに比べると、まだまだ至らないところも沢山あると思いますが、どうか聴いてやってくださいませ。(私の弟子である専攻生のソロもあるようです)
なお、関西直前の某日には、なにわ恒例の「淀工で遊ぼう!」があります。なにわメンバーが淀工に集まって、お世話になったお礼がてら、部員達と一緒に課題曲と自由曲を吹いて「遊ぶ」ものです。指導している石山高校の皆さんには裏切り(苦笑)ですが、それも楽しんでこようと思っています。
各団体が力の限りを尽くした、盛り上がった大会になるといいですね。

投稿: ふーじー | 2008年8月22日 (金) 22時36分

ふーじーさん、コメントありがとうございます。

石山高等学校の自由曲はC.T.スミス/吹奏楽のための「交響曲第一番」。この曲は聴いたことがありませんが、C.T.スミスは、かの「フェスティバル・バリエーションズ」や「華麗なる舞曲」の作曲家ですね。

「華麗なる舞曲」と言えば何と言っても第40回全日本吹奏楽コンクール('92)における京都代表、宮本輝紀/洛南高等学校吹奏楽部の壮絶な演奏(当然、金賞)には腰を抜かしました!とても高校生の演奏とは信じられません。《伝説的名演》とは正にこれですね。

「交響曲第一番」も「華麗なる舞曲」みたいな難曲なんでしょうか?愉しみにしています。

そうそう、それから9月の大阪シンフォニカー交響楽団の定期、いよいよ児玉宏さんのブルックナーですね!こちらも大いに期待してますよ、ふーじーさん。

投稿: 雅哉 | 2008年8月23日 (土) 00時14分

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