歩いても 歩いても
評価:B+
映画公式サイトはこちら。
僕は2004年度に「キネマ旬報」日本映画ベスト・テン第1位に輝いた「誰も知らない」は全然好きになれない(観た当時の感想はこちら)。しかし、その是枝裕和監督が原作・脚本・編集も兼任した本作はとても良かった。
「歩いても 歩いても」というタイトルは、「しゃべれども しゃべれども」みたいで如何なものかと想ったが、本編に挿入されている「ブルー・ライト・ヨコハマ」の歌詞から引用したと判明し、納得した。
大した事件が起こるわけではない。市井の人々の一日を追った、淡々とした物語である。小津安二郎の時代から連綿と続く松竹ホームドラマを思い起こさせる雰囲気が漂う。深い味わいがあって、最後には「嗚呼、家族ってこういうものだよなぁ」としみじみ想わせる佳作である。映画に繰り返し登場する坂道はある意味、人生を象徴しているのだろう。
夏川結衣は1968年生まれで現在40歳、相変わらず若々しく美しい。1967年生まれのニコール・キッドマンとともに彼女は現代の驚異と言えるだろう。
| 固定リンク | 0
「Cinema Paradiso」カテゴリの記事
- クラシック通が読み解く映画「TAR/ター」(帝王カラヤン vs. バーンスタインとか)(2023.05.27)
- A24とNetflixの躍進が目立ったアカデミー賞授賞式 2023を振り返る(2023.03.15)
- 2023年 アカデミー賞大予想!(2023.03.12)
- デイミアン・チャゼル監督「バビロン」は「ラ・ラ・ランド」を露悪趣味に歪曲した映画(2023.03.10)
- イニシェリン島の精霊(2023.03.08)
コメント