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2008年7月16日 (水)

桂吉弥の《新》お仕事です。 

NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」で大ブレイクした桂 吉弥さんの落語を聴きに繁昌亭に往った。

間もなく朝ドラ史上初のスピンオフドラマ「ちりとてちん外伝 まいご3兄弟」が放送される。詳しくはこちら。7/21(月)に吉弥さんはNHK「トップランナー」にも出演される。

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今回の演目は以下の通り。

  • 吉之丞/軽業
  • しん吉/住吉駕籠
  • ざこば/子ほめ
  • 吉弥/蛇含草
  • 吉弥/三十石

ざこばさんはサプライズ・ゲスト。なびら(演者の名前が書いてある紙)をめくるとざこばさんの名前が現れて場内がどよめいた。お囃子にのって本人が登場すると、やんややんやの大喝采。ちなみに吉弥さんの師匠・吉朝(故人)とざこばさんは兄弟弟子の関係にあたる。

ざこばさんが今回された「子ほめ」は以前、関西テレビで放送された桂ざこば芸歴45周年&還暦記念ドラマ「子ほめ」のDVD特典として収録される予定だそうである。実に面白かった!

落語会に集まる聴衆は男性率が高く、50歳以上の中高年が目立つのが特徴である。しかし吉弥さんの場合、20-30代の若い女性が圧倒的に多かった。これも「ちりとてちん」効果だろう。

彼女たちは例えば「三十石」で六と八が登場しただけでコロコロと笑う。このふたりの名前は「ちりとてちん」に何度も出てくるからである。ドラマの主人公、和田代美(きよみ)=B子と、その幼なじみ、和田海(きよみ)=A子の名前も六・八に由来する。

また「蛇含草」の餅を食べるところで、吉弥さんが"お染久松比翼投げ"と言うと、彼女たちは嬉しそうに顔を見合わせ、ひそひそと囁きあった。この"お染久松比翼投げ"もドラマで重要な役割を果たす上方落語「愛宕山」に出てくる台詞だからである。

吉弥さんは「ちりとてちん」に出演することで、明らかに落語ファンの枠を広げた。このことは高く評価されてしかるべきだろう。繁昌亭が毎日盛況なのもこのドラマのお陰である。

しかし偏狭な、いわゆる落語通の中には、役者として活躍しスターとなった吉弥さんのことを(嫉妬心から)快く想っていない人も少なくはない。

映画「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」の名場面で、アラゴルンは「フロドのために!」と叫んで突進する。結局、吉弥さんがしていることも全て「上方落語のために」なっているのだと僕は信じて疑わない。

ただ吉弥さん、今度発売される吉弥全集のDVD-BOX「桂吉弥のお仕事です そろそろ」特典ディスクの内容が"スチル写真のスライド・ショー "だけというのは如何なものだろう?やっぱりこういった特典には落語をもう一席収録するなど気が利いた工夫が欲しかったなぁ。

関連記事:
・ 桂吉弥&柳家三三 落語会

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