天神祭と繁昌亭
日本三大祭のひとつ、天神祭の時期が来た。
陸渡御、船渡御の出発地点となり、その前日に宵宮祭が行われるのが大阪天満宮である。
天満宮のすぐ横に、落語専門の定席・天満天神繁昌亭がある。開席は2006年9月15日。用地は天満宮から無料で提供された。
繁昌亭のある場所はNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」の主人公、喜代美の師匠となる徒然亭草若邸の舞台設定に一致している。ここは草若の死後、上方落語初の常打ち小屋「ひぐらし亭」に改装されるわけで、つまり繁昌亭がモデルになっているのである。また師匠の家を寄席小屋にするというエピソードは故・笑福亭松鶴邸が弟子の鶴瓶さんの手で帝塚山・無学に生まれ変わったことを参考にしていると想われる。
天神祭の日に繁昌亭の昼席に立ち寄った。演目は以下の通り。
- 桂 吉の丞/つる
- 林家 染左/狸の賽
- 桂 三象/シルバーウエディングベル(三枝 作)
- いわみ せいじ/似顔絵
- 桂 坊枝/火焔太鼓
- 笑福亭鶴笑/義経千本桜
- 桂 三扇/英才教育(三枝 作)
- 笑福亭伯枝/三人上戸
- 桂 朝太郎/マジカル落語
- 笑福亭松喬/花筏
赤字は色物である。寄席で落語や講談の間にされる、その他の芸のこと。いわゆる骨休めだ。中入り(休憩)を含め約3時間。どっぷりと落語に漬かり、お腹いっぱいとなった。
なかでも抱腹絶倒の面白さで腰を抜かしたのが鶴笑さんのパペット落語「義経千本桜」。これはもう、想像を絶する世界だった。→鶴笑さんのホームページへ
マクラの日本昔話も最高に可笑しかったし、まさかあんなところから静御前や義経が登場するとは想ってもみなかった!いやはや参りました。詳しく書いたら鮮度が落ちるので、とにかく一度あなたも生で観て下さい。本当に凄いから。第2回繁昌亭大賞で爆笑賞を受賞されたのも当然であろう。反則技スレスレで「あれが落語か?」との異論もあろうが、僕は断固支持する。鶴笑さんは落語の革命児である。
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