桂三枝/はなしの世界 その七
7月22日、桂三枝さんの落語会を聴きに、繁昌亭に足を運んだ。前回「はなしの世界」の感想はこちら。
上方落語協会会長に三枝さんが就任されたのが2003年。その後、大阪の噺家にとって悲願だった落語専門の定席(毎日公演している小屋)を実現するために奔走され、天満天神繁昌亭がオープンしたのが2006年9月15日のことである。その後も繁昌亭の改革は進み、つい先日も喫煙コーナーが廃止され館内禁煙になったし、自由席である昼席を待つ長蛇の行列を緩和するために、今月から整理番号制度が導入された。さらに三枝さんは、ヒートアイランド対策としてドライミストを設置したいということも今回仰っていた(ただし、導入には多少時間が掛かり今年の9月くらいになりそうとのこと)。
演目は以下の通り。
- 桂 三段/にぎやか寿司
- 桂 三枝/平成CHIKAMATSU心中物語
- 桂 三象/憧れのカントリーライフ
- 桂 三枝/メルチュウ一家
- 桂 三枝/相部屋(新ネタ)
お弟子さんがされたのも全て、三枝さんの創作落語である。
中でも気に入ったのは「平成CHIKAMATSU心中物語」。近松門左衛門の心中ものを平成に移し変え、"チカちゃん"と"松ちゃん"の物語とした手腕はお見事。ブラックなサゲ(落ち)も秀逸である。
「メルチュウ一家」はお年寄りも持つのが当たり前になった携帯電話を素材に、メール中毒の噺。背後にスクリーンを登場させ、携帯の画面が映し出される手法が斬新で、常に現代と対峙しようという姿勢が素晴らしい。
ただ、ご本人がされると面白いのに、お弟子さんが三枝さんの書かれた落語を高座にかけても、どうも違和感が最後まで付きまとう。これは後日、繁昌亭昼席で聴いた三扇さんも同様。この辺りが創作落語の難しさなのだろう。三風さんや、(ざこばさんの次女と結婚することで話題の)三若さんらは自作の落語で頑張っていらっしゃるし、折角三枝さんに弟子入りするのだから自分で噺を創ってやろうというくらいの気概が欲しいところである。
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