笑福亭鶴瓶/帝塚山 無学の会
大阪市・粉浜(こはま)にある帝塚山・無学で毎月開催されている笑福亭鶴瓶さんプロデュースの会に往った。
ここは師匠である(六代目)笑福亭松鶴の住居跡を鶴瓶さんが買取り、改築した寄席小屋。松鶴の記念碑もあった。
「無学の会」のゲストは毎回シークレットで当日会場に往くまで分からない。過去に明石家さんま、タモリ、上岡龍太郎、イッセー尾形、桂米朝、桂春團治など錚々たる顔ぶれが登場している。前回は石田純一だったそうだ。客席は椅子席。80人余りでぎゅうぎゅう詰めになる小さな小屋だ。前の方に一旦坐ったらトイレに立つのもままにならない。
今回のゲストは桂 文福さんとそのお弟子さんたち(茶がま、文鹿、まめだ、ぽんぽ娘)。
まず鶴瓶噺(よもやま噺)で会場は大いに盛り上がり、交代で文福さんが登場。お得意の大相撲風景(甚句入り)を披露された。鶴瓶さんは松鶴一門で文福さんは文枝一門。しかし入門はどちらも72年で同期になるそうだ。
続いて弟子たちの登場。茶がまさんは師匠が吉本と喧嘩別れしても吉本に残ったこと、さらに東京進出された時のことなどを話され、文鹿さんは落語家と同時にプロボクサーとしても活躍されたことなどを話された。
(自称)自閉症気味のまめださんが《まめだ》という名前を師匠から貰った時の感想を訊かれて「もっと大きな名前が欲しかったです」と言うと、すかさず鶴瓶さんが「いやぁ、似合ってると思うよ」と切り返した。「何か芸をしないと」とまめださんが拙い手つきで皿回しをして、大きな皿を落として客席前方の人がひやりとする場面も。続いて南京玉すだれを披露。何とも微妙な芸で、可笑しな味があった。
ぽんぽ娘(こ)さんは以前、「おさなぎ色」の芸名で浅草でメイド漫談をやっており、8年のキャリアがあるらしい。文福さんへ入門したのは2006年10月。ということは落語家としての年季明け(通常3年)はまだかな?
4人の弟子たち各々が個性的というか見事にバラバラなのが面白い。彼らを通じて文福さんの人柄が偲ばれ、ここらあたりがゲストの魅力を引き出す鶴瓶さんのプロデュース力の巧さだなと舌を巻いた。
続いて鶴瓶さんと文福さんの対談。文福さんは有名人恐怖症だそうで、なんと鶴瓶さんが仕掛けて文福さんが尊敬するタモリさんから生電話!シドロモドロでなに言ってんだか分からない文福さんが最高に可笑しかった。次に相撲好きの文福さんに阿武松(おおのまつ)親方からのプレゼントと生電話。すると突然、人が変わったように滑らかに喋る文福さんに客席はまたまた大爆笑となった。
最後は文福さんを中心に皆で河内音頭を踊って〆。とても愉しく、大満足で帰途に就いた。
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