アフタースクール
評価:B+
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恩田陸が書いた「ドミノ」という小説がある。ドミノ倒しの如く一気呵成に事件が動き出し、様々な登場人物たちが時には交差し、時には離れながら東京駅という終着地点へ向けてノン・ストップで収斂してゆく。読み出したら止まらない傑作だ。
「ドミノ」と似た手法を映画でやってしまったのが「運命じゃない人」である。これはキネマ旬報ベストテン 第5位となり、内田けんじ監督は脚本賞も受賞した。
その内田監督の最新作が「アフタースクール」なのだが、前作同様に計算し尽くされた緻密なプロットによる脚本が圧倒的に素晴らしい。これは出色のミステリーだ。騙される快感、misleadingの醍醐味を堪能した。
自主映画が評価され、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)スカラシップの権利を得て製作された「運命じゃない人」は低予算だったので無名の俳優ばかりだったが、今回は役者も豪華になっている。特に飄々とした大泉洋と、屈折した人物像を見事に演じた佐々木蔵之介が出色である。必見。
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