淀工「サマーコンサート」チケット発売中!
5月17日(土)に四国の愛媛県県民文化会館で大阪府立淀川工科高等学校吹奏楽部(淀工)の演奏会があった。チケットはS席3,000円だったが、3,000人収容の大ホールは満席だったそうである。
このコンサートで最も注目すべきは、な、な、なんと大栗 裕/大阪俗謡による幻想曲が演奏されたことである!
全日本吹奏楽コンクールで過去21回金賞を受賞した淀工であるが(高校では最多。指揮は全て丸ちゃんこと、丸谷明夫 先生)、1995年以降は自由曲として「ダフニスとクロエ」→「スペイン狂詩曲」→「大阪俗謡による幻想曲」→(大会規定により)三出休み というローテーションを繰り返してきた。これが3クール終了し昨年は「ダフニスとクロエ」だったので、今年の自由曲は当然「スペイン狂詩曲」かと想われた。ところが、である。今年「スペイン狂詩曲」を淀工は一度も演奏会で取り上げていない。これはひょっとして、ひょっとするかも……。
もし今年、淀工がコンクールで僕が愛してやまない「大阪俗謡」を演奏するなら、関西吹奏楽コンクール、そして普門館で行われる全日本吹奏楽コンクールには万難を排し、何が何でも聴きに往かねばなるまい。
さて、淀工サマーコンサートのチケットは既に発売中である。今年の日程は6月7日(土)8日(日)。各2回公演あり。場所は淀工のお膝もと、さつきホールもりぐち(守口市市民会館、モリカン)である。
チケットを一手に引き受けているアルト楽器社への連絡先とアクセスは記事「グリコンへ行こう!」を参照して下さい。予め連絡しておけば、1週間はチケットを取っておいてくれる。グリコン(フェスティバルホール)は1,500円だが、サマコンは1,000円である。この差はホール使用料の違いと推定される。
演奏されるのは吹奏楽コンクール2008年度課題曲 I~IV、アルメニアン・ダンス PartⅠ、お楽しみコーナー、ザ・ヒットパレード、ほか。もしかしたら「大阪俗謡」も聴けるかも!?
今年は”浪速のバルトーク”こと、大阪生まれの作曲家・大栗 裕(1918-1982)生誕90周年である。
関連記事:
・淀工サマーコンサート(昨年聴いた時の感想)
・3000人の吹奏楽(こちらのチケットも発売中。詳細はこちら)
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コメント
「大栗 裕」を何故「浪速のバルトーク」というのか気になって、今更ですが「バルトーク」について調べてみました。そうしたら「民俗音楽研究家」や「民謡の収集活動」という言葉が出てきました。民謡的要素を自分の作品の中で生かすということをなさっていたのですね。大栗 裕の「大阪俗謡による幻想曲」には天神祭りの祭囃子などが取り入れられています。ここが「バルトーク」と共通するところで、だから「浪速のバルトーク」と呼ばれるのだと解釈しましたがいかがでしょう。
サマコンではきっと「俗謡」をやるでしょう。3週間後の息子たちがどれだけ聴く人の心に響く演奏ができるようになっているか楽しみです。
投稿: たくみん | 2008年5月20日 (火) 22時51分
たくみんさん、コメントありがとうございます。仰る通りですね。
バルトークはドラキュラ伝説で有名なルーマニアのトランシルヴァニア生まれたハンガリー人作曲家です。彼は様々な地域に旅して民謡を採取・記譜し、それを自作に持ち込みました。「トランシルヴァニア舞曲」「ルーマニア舞曲」「ハンガリーの風景」「ハンガリーの農民歌」「舞踏組曲」といった作品があります。
バルトークの友人で、一緒に民謡研究をした作曲家にコダーイがいます。コダーイの「ハンガリー民謡『くじゃくは飛んだ』による変奏曲」は日本でも人気があり、しばしば吹奏楽コンクールで自由曲に選ばれています。
「リンカンシャーの花束」を作曲したパーシー・グレインジャーも蝋管蓄音機 を携えイギリス各地を回り民謡を採取しましたが、では大栗 裕が何故「浪速のグレインジャー」と呼ばれないのかと言えば、イギリス民謡って何処か上品なんですよね。大栗の作品はもっと土俗的で粗野です。そういう曲の特徴もバルトークに通ずるものがあるのです。
大栗の作風に日本で一番近いのが「ゴジラ」の作曲で有名な伊福部昭です。北海道生まれの伊福部はアイヌの舞踏・民族音楽を自作に取り入れ「土俗的三連画」「シンフォニア・タプカーラ」などを作曲しています。タプカーラとはアイヌ語で「立って踊る」という意味だそうです。
投稿: 雅哉 | 2008年5月21日 (水) 00時11分