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繁昌亭GW特別興行

ゴールデン・ウィーク中の5月5日と6日に、天満天神繁昌亭で落語を聴いた。演者と演目は下記の通り。

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この中で特に印象深かったのは笑福亭純瓶さん(鶴瓶さんの弟子)の「いらち俥」。先日、田辺寄席で聴いた笑福亭たまさんの「いらち俥」もダイナミックなアクションで面白かったのだが、純瓶さんのそれは奇想天外な仕掛けで聴衆をあっと言わせた。まず、まくら(導入部)で「落語という芸能は、例えばボクシングなんかと違って体力は要りませんし、ハァハァ言いながら退場することもありません」「落語というのはこの座布団から出てはいけないというルールがあるんです」と振っておいて、それが実は見事な伏線になっており、最後に綺麗に落とすという完成度の高さ。人力車の動作をしながら座布団に乗ったまま舞台上手から退場、これで終わりかと想いきや、突如下手から座布団と共に再登場するという破天荒な演出には呆気にとられた。天晴れなり!

桂春團治さんの「代書(代書屋)」を聴くのはこれが2回目であるが、名人芸の所作の美しさに相変わらず魅了された。春團治さんの芸は兎に角、華麗である。さらにその着物も座布団も豪華。もうただただ、うっとりと見惚れるばかり。正に日本の宝。ご高齢ではあるが、これからも末永くその高座を我々にお聴かせ下さい。

「代書」といえば、爆笑王の故・桂 枝雀さんの十八番としても有名。その枝雀さんの「代書」をようやく先日、DVDで観ることが出来た。これはもう創作落語と言ってもいい位、換骨奪胎された「代書」なのだが、息が出来ないくらい腹を抱えて笑った。枝雀版も春團治版も、それぞれ別個の作品として甲乙付け難い。同じ噺でも演者によってここまで違うものかと落語の奥深さを教えられた想いである。

桂 小米朝さんはご存知、人間国宝・米朝さんのご子息(現在49歳)である。この秋に米團治(米朝さんの師匠の名。「代書」の作者でもある)の襲名が決まっている。有名人の息子というのは本人にとって相当なプレッシャーなのだろう。この日も「桂 七光りでございます」と言って笑いをとっていた。高座にかけたのがなんと米朝さんの十八番「百年目」だったのだから驚いた。まさかこんな大ネタを持ってくるとは……。米團治襲名も近いので真っ向勝負に出たのだろうが、どうしても聴く方は親父さんの「百年目」と比べてしまうから辛いねぇ。

この日、大トリが小米朝さんで中トリが小枝さんだったのだが、小枝さんが小米朝さんのことをネタにしていびること、いびること!繁昌亭には米朝さん直筆の「楽」という字が書かれた額が飾ってあるのだが、「米朝師匠はねぇ、もう少ししたらこべいちょうになるんですよ。故・米朝と離して読むんですけれど……」とか、桂 歌丸さんがゲストで繁昌亭の高座に上がったときに歌丸さんのジャケットを小米朝さんが間違って着て帰ってしまったエピソードを披露した上で「私は小米朝が米團治を襲名するのは絶対反対なんです」とか、もう言いたい放題。しかし人間国宝の息子をネタにして(しかも本人の目の前で!)笑いを取ることが許される自由な雰囲気というのが、上方落語界の開かれた良い所だと僕は想うのである。

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