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大阪シンフォニカー交響楽団の「革命」

つい先日、橋下 徹 大阪府知事による改革プロジェクトチームの素案が明らかとなり、府が大阪センチュリー交響楽団への補助金を廃止する意向であることが新聞で報じられた。現在、同楽団の運営費に占める補助金の割合は52%である。万事休す。

センチュリー存続のために署名運動がネット上で始まっているが、遅きに失した感は否めない。関西経済連合会の秋山喜久会長(当時)が在阪オケ統合論をぶち上げたのはもう2年前の話である。

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そんな中、4/11(金)に大阪シンフォニカー交響楽団の定期演奏会を聴きに往った。指揮は尾高忠明さんである。

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シンフォニーカーは大和ハウスなど大手スポンサーのバックアップ体制も万全だから、当面心配はなさそうである。プログラムを見ると特別顧問の中に橋下知事の名前もあった。

最初に演奏されたリャードフ/魔法にかけられた湖は今回初めて聴いた。モーリス・ラヴェルを彷彿とさせる印象的な曲。冒頭、弱音器をつけた弦の水面がたゆたい、光を反射してきらきら煌めく。喩えようもなく美しい。やがて、もやもやとした霧の中から浮かび上がる木管の囁きはあたかも「ラ・ヴァルス」のようだった。

ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番では堀米ゆず子さんが登場。尾高さんとの呼吸もぴったりで、目の覚めるような快刀乱麻の演奏だった。先日、尾高/大フィルでシベリウス/ヴァイオリン協奏曲を聴いた時は、ソリスト(サラ・チャン)がどうしようもなく低調で、折角の尾高さんの好サポートが台無しだったが、今回は役者が違った。弦の国ニッポンの凄さを改めて思い知らされた次第である。

休憩を挟んでいよいよショスタコーヴィチ/交響曲第5番である。第1楽章提示部は遅めのテンポで始まり作曲家の絶望、虚無感をえぐり出す。展開部に入ると一転して嵐のような激情の音楽になる。途中登場する行進曲は暴力的でスターリンの恐怖政治を象徴しているかのようだ。

第3楽章ラルゴは祈りと慟哭の音楽。粛正の犠牲者への追悼であり、途中聖歌の和音が登場することに今回初めて気づかされた。

そして終楽章。尾高さんの解釈は暴力的、破壊的パワーに満ちていて圧倒された。この曲は表向きソビエト政府の革命記念日のために書かれているが、今回の演奏ではその裏に隠されていたショスタコーヴィチの真の意図が白日の下に曝され、実にスリリングな体験だった。

昨年の4月に聴いた大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団による同曲の演奏も名演であったが、今回の尾高/シンフォニカーもそれに負けず劣らず素晴らしいものだった。ブラボー!

シンフォニカーの快進撃は続く。

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