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桂文枝 追善落語会 その壱

連続テレビ小説「ちりとてちん」の影響もあり、今、上方落語が熱い。平成十八年に戦後初の落語専門の定席となる天満天神 繁昌亭が出来て、連日の大入り満員。今年の三月三日からはうめだ花月でも昼の定席が始まった(さすがは吉本。機を見て敏なり)。

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桂 文枝は現役の桂 米朝桂 春団治らと並び、昭和の「上方落語四天王」と呼ばれた方である。文枝が亡くなってちょうど三年目の命日に、弟子たちによる落語会が繁昌亭で開かれた。二日間で総勢二十人が出演する、その第一日目に足を運んだ。

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写真上段が昼席の出演者、下段が夜席・追善落語会の出演者、十名の一覧である。

桂 きん枝さんの「師匠への手紙」から始まり、文福さんの「文枝想い出噺」で仲入。他の八人は古典落語を披露された。その中で特に印象に残ったものについて書こう。

桂 かい枝さんの「いらち車」。なんだかヘンテコな人力車の車夫と、お客の噺。かい枝さんは身振り手振りが大きく、そのダイナミックな話し振りに目を奪われた。荒々しいテンポも感も良い。かい枝さんは間もなくニューヨーク公演が控えておられるそうで、「いらち車」の英語版もあるとか。う~ん、聴いてみたい。

桂 文華さんは自称、落語界の妖怪人間ベム。披露されたのは「勘定板」。昔、越前には便所のことを「かんじょ」=閑所と呼ぶ漁村があって、そこから大阪見物にやって来た親子が宿で「閑所板」を所望すると、それを番頭が「勘定板」と勘違いする噺。まあ、早い話が下ネタなのだが、関西らしくて腹を抱えて笑った。妖怪人間の面目躍如(?)といったところか。

桂 枝光さんは「紙入れ」。不倫を題材にした艶笑落語。元々は江戸落語だったようだが、枝光さんはそれを作り直して3,4年前から演っておられるそうだ。人妻のしなだれた艶っぽさが面白かった。

桂 文喬さんは大阪府立大学経済学部在学中に、大ファンだった文枝の子息の家庭教師となり、それが縁で入門されたという面白い経歴の持ち主。噺は「次の御用日」。若き日の文枝が得意とした演目だそうで、「アッ!」という奇声を畳み込むように発する連続技が爆笑ものだった。

そして今宵のなんてったって白眉は桂 文珍さんだった。文珍さんが演ったのは「地獄八景亡者戯」(じごくはっけいもうじゃのたわむれ)。主人公が三途の川を渡る場面ではなんとイージス艦が登場し、さらに木原 光知子さんが泳いでいたり、市川 崑 監督がフィルムを回していたりと時事的なネタを盛り込んでいて愉しかった。他にも日銀総裁や、蛸みたいに浮き沈みを繰り返し成仏できない横山ノックさんも登場、場内を笑いの渦に巻き込んだ。文珍さんは活舌もよく、聴いていて実に心地よい。最後は黄泉の国にもある繁昌亭で文枝師匠が落語をしている場面が登場。そこには桂 文珍の名前もあって、近日来演!と書かれているというサゲだった。いやはや、傑作!

その他の演目は「はてなの茶碗」、「十徳」、そして「時うどん」。仲入を含め約2時間半、落語をたっぷり堪能させて貰った。

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