小澤征爾 代、九千円。
小澤征爾/新日本フィルハーモニー交響楽団の大阪公演が決まった。場所はザ・シンフォニーホールである。詳細はこちら。
曲目はチャイコフスキー/交響曲第六番「悲愴」とラフマニノフ/ピアノ協奏曲第三番(ピアノ:上原彩子)。
小澤さんは滅多に大阪に来られないし、ピアノがチャイコフスキー国際コンクールで優勝した上原さんだし、一寸聴いてみたい気もするけど、どうしようかなぁ……とよくよく見てみると、目が点になった。S席14,000円!一番安いC席でも8,000円である。大植英次/大阪フィルの定期演奏会がS席6,500円だからその2倍以上。
大阪の音楽プロモーター(リバティ・コンサーツ)が暴利を貪っているのかと思いきや、どうもそうではなさそうだ。新日本フィルが主催する東京公演も同一料金である。上原さんではなく、新日本フィル首席オーボエ奏者の古部賢一さんがソリストとして登場する回も同じ。
新日本フィルは今年の1月10日にもザ・シンフォニーホールでコンサートを行った(指揮:クリスティアン・アルミンク、ヴァイオリン:豊嶋泰嗣)。この時の料金はS席5,000円、C席2,000円だった。ということは、S席を購入する聴衆の支払う差額9,000円は小澤征爾さんひとり分ということになる。
言うまでもなく小澤さんは世界的に有名な指揮者である。ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートやベルリン・フィルのジルベスター・コンサートの指揮台に立ったアジア人は小澤さんしかいない。また2002年からウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任されているわけだが、ここはかつてカール・ベームやヘルベルト・フォン・カラヤンが総監督を務めていたオペラハウスである。言い換えれば天下を取ったということだ。
だがそれにしても、である。80人くらいのオーケストラの楽員よりも1人の指揮者の価値の方が遥に上回る、これは異常な話ではないだろうか?
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コメント
初めまして。Harmoniaと申します。時々拝見しております。
小澤/新日フィルの大阪公演が有るのですね。でもかなりの高額ですな。小澤氏のギャラの分が上乗せになっているのでしょうね。
私はこの間のアルミンクとの大阪公演を聴きましたが、『新日フィルってこの程度?』と思ってしまいましたよ。まあ地方ツアーでエキストラ入りまくりで、東京での定期公演とはまた違うとの事でしたが、それにしても酷過ぎました。(その後の東京でのブルックナーの第8は、素晴らしかったらしいですが)
小澤氏との大阪公演とはいえ、このプログラムでこの高額なら、敢えて聴きに行く価値は無いのではと思います。もし同じプログラムで大植/大フィルが演奏会を開くなら、断然そちらの方が聴きに行く価値が有ると思いますよ。(って、勝手な思い込みですが、、、)
投稿: Harmonia | 2008年2月17日 (日) 02時30分
Harmoniaさん、コメントありがとうございます。
仰るとおりですね。実際、僕は「悲愴」もラフマニノフの三番も大植/大阪フィルで既に聴いています。勿論、大満足しました。
小澤征爾さん一人に九千円を払うのはいくら何でも法外なので、今回は見送ります。
1981年にピアニストのホロヴィッツが初来日し、S席5万円(NHKホール)のチケット代が話題になった事件を想い出しました。
投稿: 雅哉 | 2008年2月17日 (日) 07時42分