第80回アカデミー賞大予想!
僕は昨年10月3日の記事「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」でピアフを演じたマリオン・コティヤールについて、
これが英語の映画なら彼女は間違いなくアカデミー主演女優賞を受賞するだろう。フランス映画というハンディはあるが、少なくともアカデミー賞ノミネートは確実。
と書いた。そして彼女は見事ノミネートされた。しかしフランス映画なので、受賞はやはり難しそうだ(勿論もし彼女がオスカーを獲れたら、心から祝福したい)。
また、8月7日「レミーのおいしいレストラン」については、
もう、はっきり書いちゃうけれど来年のアカデミー賞で長編アニメーション部門はこの作品で決まり。他はありえない。
と断言し、12月18日「once ダブリンの街角で」には、
さて最近のアカデミー賞の傾向から考えると、今年の歌曲賞は本作の"Falling Slowly"でほぼ決まりだろう
と書いている。さて、これらの予言は果たして当たるだろうか?
では、今年の受賞予想である。
作品賞:ノーカントリー
監督賞:ジョエル & イーサン・コーエン
「ノーカントリー」
主演女優賞:ジュリー・クリスティ
「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」
主演男優賞:ダニエル・デイ=ルイス
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
助演女優賞:ケイト・ブランシェット
”I'm Not There”
助演男優賞:ハビエル・バルデム
「ノーカントリー」
脚本賞:「JUNO/ジュノ」
脚色賞:「ノーカントリー」
撮影賞:「ノーカントリー」
編集賞:「ボーン・アルティメイタム」
美術賞:「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
衣装デザイン賞:「つぐない」
メイクアップ賞:「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」
作曲賞:「つぐない」
歌曲賞:「Once ダブリンの街角で」から
“Falling Slowly”
録音賞:「ノーカントリー」
音響編集賞:「ボーン・アルティメイタム」
視覚効果賞:「トランスフォーマー」
長編アニメーション映画賞:「レミーのおいしいレストラン」
外国語映画賞:「ヒトラーの贋札」
(製作国:オーストリア)
長編ドキュメンタリー:“No End in Sight”
短編ドキュメンタリー、短編アニメ、短編実写賞は全く分からないので棄権する。
一昨年のアカデミー賞は作品賞が「クラッシュ」(ライオンズゲート)、監督賞は「ブロークバック・マウンテン」(フォーカス・フィーチャーズ)が受賞し、インディーズ(独立プロダクション)系作品が席巻した。その反動で翌年はメジャー系ワーナー・ブラザースの「ディパーテッド」が気を吐いた。そして今年は「ノーカントリー」(ミラマックス)「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(パラマウント・ヴァンテージ)「JUNO/ジュノ」(フォックス・サーチライト)など、再びインディーズの年になる。これが時代の潮流なのだ。
さて、作品・監督・演技賞の主要部門で、僕の予想が外れるとしたら助演女優賞。ここは混戦模様だ。
撮影賞は未だに受賞していないロジャー・ディーキンスに与えたいというアカデミー会員の意向がある筈なのだが、問題は彼が「ノーカントリー」と「ジェシー・ジェイムズの暗殺」の2作品でノミネートされてしまったこと。ダブル・ノミネートは37年ぶりの快挙なのだが、これは同時に票が割れるということを意味する。そうなると漁夫の利で、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のロバート・エルスウィットが受賞する可能性も残る。兎に角ディーキンスが、どちらの作品でも良いから受賞できますように!
毎年悩むのが作曲賞。ここ5年間ほどは、ことごとく外してしまった。でも今年こそはいけそうだ(<本当か?)。
今年の歌曲賞はディズニーの「魔法にかけられて」から3曲もノミネートされた。作曲は「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」のアラン・メンケン。ここのところ鳴かず飛ばずだった彼の復活を、心から喜びたい。
アカデミー賞授賞式は日本時間の2月25日(月)午前より開始される。公式日本語サイトはこちら。
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