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2008年1月12日 (土)

アフター・ウェディング

評価:A

未見の読者にまず警告しておく。この映画は掛け値無しの傑作である。しかし、本作は様々な仕掛けが施されているので、なるべく予備知識なしで観た方が良い。映画公式サイトはこちらだが、ネタバレを多分に含む危険なサイトなので近寄らない方が無難だろう。特に予告編は絶対に観てはいけない

デンマークの恐るべき才女、スサンネ・ビア監督の最新作。2007年アカデミー外国語映画賞にノミネートされた(受賞したのはドイツの「善き人のためのソナタ」。メキシコ代表が「パンズ・ラビリンス」であり、近年稀にみるハイ・レベルの闘いだった)。

詳しいことは書けないが「ある愛の風景」同様に本作にもメロドラマでよく使われる設定が、幾つか施されている。ところがそれだけじゃ決して終わらないのがビア監督作品の凄いところ。ここでも人間の奥底に潜む真実が、一枚一枚ベールを剥ぐように明らかになってゆく。脚本(アナス・トーマス・イェンセン)が実に見事でアッ!と言った。

目・口・指先など人物の局部をクローズ・アップで撮る、ねちっこい手法も健在。ビア監督は独特の語り口を持った真の映像作家である。脱帽。

「ある愛の風景」と「アフター・ウェディング」は昨年からの公開作品なので2007年映画ベスト30選の記事内容を一部修正した。

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