ジョニー・デップの主演男優賞受賞とミュージカル映画新時代!
ゴールデングローブ賞が発表となり、コメディ/ミュージカル部門でスティーブン・ソンドハイム作詞作曲のミュージカル映画「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」が作品賞を受賞し、同作に出演したジョニー・デップが主演男優賞に輝いた。「スウィーニー・トッド」は今週末から日本公開も始まるので非常に愉しみである。僕は昨年、宮本亜門演出、市村正親・大竹しのぶ主演の舞台版を観ているのだが、非の打ち所のない完璧な作品である。ソンドハイムの音楽も「リトル・ナイト・ミュージック」「INTO THE WOODS」と並ぶ、最高傑作のひとつであろう。
今年の夏にはもうひとつ、どでかいミュージカル映画が登場する。日本では劇団四季が2月から名古屋で上演する「マンマ、ミーア!」である。なんと言っても最大の話題はドナ役を大女優メリル・ストリープが演じることだろう。メリルの歌は映画「今宵、フィッツジェラルド劇場で」で聴いたが、あれなら結構期待出来そうだ。それからドナのかつての恋人役としてジェームズ・ボンド役で有名なピアース・ブロスナン、そして「ブリジット・ジョーンズの日記」「真珠の首飾りの少女」のコリン・ファースも登場。彼らがどんな歌声を聴かせてくれるのか、今からドキドキ、ワクワクである。考えてもごらんよ、メリルがABBAの「ダンシング・クイーン」を歌って踊るんだぜ!?既に映画「マンマ、ミーア!」の予告編を観ることが出来る。こちらからどうぞ。
アメリカ脚本家組合の長期ストライキで撮影延期になっている話題作が「シカゴ」のロブ・マーシャル監督によるミュージカル映画「ナイン」である。82年ブロードウェイ初演時にトニー賞5部門を受賞した名作。これはフェデリコ・フェリーニ監督のイタリア映画「8 1/2」をミュージカル化したもので、映画→舞台ミュージカル→ミュージカル映画という経路は「プロデューサーズ」「ヘアスプレー」などと同様である。映画「ナイン」に予定されているキャストは、本日発表されたゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞したハビエル・バルデム(「ノーカントリー」)、ミュージカル/コメディ部門で主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤール(「エディット・ピアフ/愛の讃歌」)をはじめ、ペネロペ・クルス、ソフィア・ローレンといった豪華キャストである。但し、スケジュールの変更で彼らがそのまま出演できるかどうかは雲行きが怪しくなっていた。
1980年代から90年代にかけて絶滅したに等しいくらい衰退したミュージカル映画が、近年にわかに活気を取り戻してきたことは喜ばしい限りである。あと映画化にまでなんとか漕ぎ着けて欲しいのがアンドリュー・ロイド=ウェバーの「サンセット・ブルーバード」。ノーマ・デズモンド役はグレン・クローズでもライザ・ミネリでもぶっちゃけ誰でもいいが、お相手役は何が何でも美声のヒュー・ジャックマンでお願いしたい(オーストラリア公演で実際に彼はこの役を演じている)。華やかな「42nd Street」や、ヴェトナム戦争を背景とした劇的な「ミス・サイゴン」も映画化してもらいたいものだ。宝塚歌劇団や東宝による上演で御馴染みのウィーン・ミュージカル「エリザベート」も、題材がすこぶる面白いし音楽も最高なんだからオーストリアかドイツあたりで是非。え?「レ・ミゼラブル」?う~ん、そうだなぁ……。
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