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2008年1月17日 (木)

のだめカンタービレと飯森範親さん

いずみシンフォニエッタ大阪の常任指揮者、飯森範親さんのことについては、「いずみシンフォニエッタ大阪 定期演奏会」、「大阪市音楽団~青春の吹奏楽70’ヒットパレード」、「日本を代表する室内オーケストラで聴く第九」の記事で各々語ってきた。才能溢れる若きマエストロである。

飯森さんは現代音楽のエキスパートであり、精力的に新作の初演に取り組んでこられたこられたことが評価され、中島健蔵音楽賞を受賞されている。またその一方で、バロックから古典派までの音楽はピリオド(ノン・ビブラート)奏法を取り入れ、鮮烈で瑞々しい演奏を聴かせてくれる。

さて、先日放送された「のだめカンタービレ 新春スペシャル in ヨーロッパ」 であるが、このドラマで指揮・オーケストラ指導をされているのが飯森さんなのだ。観て驚いた。バックでモーツァルトが流れるときはちゃんとノン・ビブラートだったのである。さすがだ。

1月3日に生放送された「NHKニューイヤー・オペラコンサート」でタクトを振っていたのも飯森さん。東京フィルハーモニー交響楽団はプッチーニなど近代のオペラではビブラートをかけて演奏していたが、森 麻季さんがモーツァルト/歌劇「羊飼いの王様」からのアリアを歌ったときはピリオド奏法という具合に見事に弾き分けていた。飯森さんはNHKの「名曲アルバム」でも沢山指揮をされているが、例えばペルゴレージ/「スターバト・マーテル」やバッハ/カンタータ「神は我がやぐら」などはノン・ビブラートで演奏されている。

天下のベルリン・フィルもサイモン・ラトルが芸術監督に就任して以降、ハイドンやベートーヴェンがプログラムに組まれたときはピリオド奏法で演奏するのが当たり前になってきた。

こういった時代の潮流から取り残されているのが現在の在阪オーケストラである。例えば大阪フィルハーモニー交響楽団も、飯森さんのような方法論がしっかり確立したマエストロと組んで古典に取り組むべき時期がそろそろ来ているのではないだろうか?

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