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ミュージカル「テイクフライト」

天海祐希が主演した新作ミュージカル「テイクフライト」を梅田芸術劇場で観た。

テイクフライト

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ブロードウェイでスティーブン・ソンドハイムのミュージカル「太平洋序曲」を手掛けた宮本亜門が本作の演出を担当し、台本が「太平洋序曲」「コンタクト」のジョン・ワイドマン、音楽がミュージカル「ビッグ」のデイビッド・シャイア、オーケストラ・ピットで指揮するのがデイビッド・チャールズ・アベルといった具合に国際的に才能あるスタッフが集結している。

ブロードウェイで興行的に失敗すると投資家たちは多大な損害を被るので、通常オン・ブロードウェイにかける予定の作品は、事前にトライアウトと呼ばれる地方公演で観客の反応を見ながら手直しを行う。ディズニーの「ライオンキング」のように、トライアウトの評判が芳しくないと演出・舞台装置・衣装などのスタッフを総入れ替えしたりすることもある。地方で淘汰され、ブロードウェイまで這い上がって来れない作品も当然ある。

つまり「テイクフライト」の日本公演は世界規模でのトライアウトなのだ。ロンドンでも別の演出家による「テイクフライト」のプロダクションが上演されており、両者でブロードウェイ行きの切符を競い合うという趣向である。

実はこの作品には余り期待していなかったのだが、蓋を開けてみるとその完成度の高さに仰天した。将来ブロードウェイで上演されることは間違いないし、亜門版が行く可能性は十分にある。是非そうであって欲しいと心から願う。

まず音楽が素晴らしい!劇的で起伏に富み、親しみやすい旋律に満ちている。1幕の幕切れで三者三様の心情を歌うナンバーは重層的で「レ・ミゼラブル」のOne Day Moreを想い出した。これならトニー賞で楽曲賞受賞も夢じゃない。

女性飛行士・アメリア・エアハートの人生にシンクロして、ライト兄弟やリンドバーグの空に賭ける夢も同時進行する台本の構成も見事。3つの物語がバッハの対位法のように絡み合い、壮大なハーモニーを奏でる。まるで映画「めぐりあう時間たち」(The Hours)みたいだ。

目まぐるしい舞台転換を、映像を駆使して小気味よく展開していく亜門さんの演出の鮮やかさにも感嘆した。特にフィナーレの高揚感は天晴れ!

ただ、少々残念だったのは狂言回し役のラサール石井がミスキャストだったこと。演技はともかく歌が全く駄目だった。しかしまあそれは些細な瑕に過ぎず、再演があれば是非また観たいと想える傑作ミュージカルであった。ブラボー!

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