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2008年1月29日 (火)

ジェシー・ジェイムズの暗殺(臆病者ロバート・フォードによる)

評価:B

映画公式サイトはこちら。原題は"The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford"である。

大阪府内のシネコンで夜9時からのレイトショーを観たのだが、上映開始から最後まで、映画館は僕たった一人きりだった。ブラッド・ピット製作・主演なのに……。やっぱり日本では西部劇は駄目だなぁ。結局、今週末で上映打ち切りのようである。

史実に基づく映画だが、とにかく物語が詰まらない。上映時間140分というのも冗長である。では退屈したか?と問われるとそうでもない。なぜならロジャー・ディーキンスの撮った映像が息を呑むくらい凄かったから。この感動は是非、大きなスクリーンで体験してもらいたい(映画自体の評価はC-。撮影の評価がAAで、相殺されて総合評価をBとした)。

ハリウッド映画史の中で最も美しい映像は「天国の日々」(1978年、テレンス・マリック監督)であることは衆目の一致するところだろう。撮影監督のネストール・アルメンドロスはこれでアカデミー撮影賞を受賞した。

「天国の日々」は全編マジック・アワーに撮影されたことでも有名である。マジック・アワーとは日没後、大地が完全に闇に包まれるまでの約20分ほどのことで、仄かな光がどこからともなく差し込み風景を柔らかく包む。それはまるで魔法にかけられたような、えも言われぬ映像が撮れる奇跡の時間なのだ。

マジック・アワーの詳しい話は「マスターズオブライト/アメリカン・シネマの撮影監督たち」という著書でアルメンドロス本人が語っているので、興味のある方は一読をお勧めする。これは映画のバイブルである。映画人にとってマジック・アワーを捉えることは正に夢である。三谷幸喜 脚本・監督の新作「ザ・マジックアワー」のタイトルも、勿論アルメンドロスに敬意を表したものである。

「ジェシー・ジェイムズの暗殺」を観ながら、これは「天国の日々」に匹敵する美しさだ!と驚嘆した。それはマジック・アワーに撮られた映像だけではなく、風景自体がテキサスを舞台とした「天国の日々」(実際の撮影はカナダのアルバータ州南部で行われた)を彷彿とさせたからだろう。話自体はしょーもないことも「天国の日々」と共通している。そして調べてみると、な、な、なんと「ジェシー・ジェイムズの暗殺」もカナダ・アルバータ州でロケされているではないか!!

本作は今年の米アカデミー賞で助演男優賞(ケイシー・アフレック)と撮影賞がノミネートされている。撮影監督のロジャー・ディーキンスは過去に5度ノミネートされているが、未だオスカーを受賞したことはない。僕は特に「ショーシャンクの空に」(フランク・ダラボン監督)の映像美が印象に残っている。ディーキンスは今回「ノーカントリー」でもダブルノミネートされており、これは37年ぶりの快挙だそうである。是非どちらかでの受賞を願う。

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