タブラトゥーラを知ってますか?
色々書くことが多すぎて後回しになってしまった。遅ればせながら1月5日に兵庫県立芸術文化センター 小ホールで聴いた「タブラトゥーラ 謹賀新年 初笑いライブ」について書こう。
タブラトゥーラはリュート奏者・つのだたかしさんを中心に結成された古楽器バンドである。彼らの公式サイトはこちら。フィドル(fiddle=ヴァイオリン)を担当されている田崎瑞博さんはバッハ・コンチェルティーノ大阪のメンバーでもあり、そちらではなんとバロック・チェロを弾かれている。
タブラトゥーラは中世ヨーロッパの音楽をレパートリーとしているが、彼らの面白いところはそれだけに留まらず、プログラムには各々のメンバーが作曲した新曲もふんだんに盛り込まれていることろにある(むしろ今はそちらの方が多い)。そしてそのオリジナル曲が古楽と見事に溶け込み、ちっとも違和感がないのだから実に謎めいている。
彼らの衣装もなんだか異空間だ。だからタブラトゥーラのコンサートを聴いていると、まるで「ロード・オブ・ザ・リング」に登場するホビット族の演奏を、彼らの集う居酒屋で聴いているような錯覚に捕らわれるのである。
アンコール曲のタイトルからして可笑しい。「あれもだめこれもだめ」とか「海賊の唄」。ね、古楽のイメージが根底から覆されるでしょう?
演奏会終了後、サービス精神旺盛な彼らはロビーに出てきてさらに数曲演奏してくれた。聴衆も大喜びで手拍子し、盛り上がった。
タブラトゥーラは愉しい。そしてえも言われぬ未知の世界へいざなってくれる。貴方も機会があれば是非、この摩訶不思議な体験をしてみて下さい。
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