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工藤重典 フルート三昧!

兵庫県立芸術文化センターに工藤重典さんのフルートを聴きに往った。

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工藤重典さんはフランスに留学しピエール・ランパルに師事した。現在はソリストとして活躍する傍ら、サイトウ・キネン・オーケストラおよび水戸室内管弦楽団の首席フルート奏者でもある。パリ在住。公式サイトはこちら

今回のコンサートは工藤さんと兵庫芸術文化センター管弦楽団(芸術監督:佐渡 裕)メンバーとの共演だった。驚いたのがその中にクラリネット奏者の稲本 渡さんがいたことである。以前「淀工サマーコンサート」の記事にも書いたが、稲本さんは大阪府立淀川工業(現在は工科)高等学校吹奏楽部のOBなのだ。どうやらエキストラ・プレーヤーとして参加されたようである。淀工の凄さを改めて実感した。

とても盛りだくさんで、合計5曲。工藤さんがやりたいと出した企画がすべて通ったそうで、時間がオーヴァーしそうだから1曲削ろうかと後に申し出たところ、芸術文化センター側から「折角ですから全部演って下さい」とあっさり言われたそうである。フルート三昧!という看板に偽りなし。外国人を多数含むPACオケのメンバーも30人以上参加しており、A席4,000円の入場料で実に太っ腹な内容だった。

まず演奏されたのはクーラウ/三本のフルートによる三重奏曲。これがとてもかっちりした構造を持つ、古典的な良い曲だった。調べてみるとフリードリッヒ・クーラウというドイツの作曲家はベートーヴェンと同時代に生きた人で「フルートのベートーヴェン」と呼ばれることもあるそうである。

ルーセル/フルート、ヴィオラとチェロのための三重奏曲はフランスのエスプリ薫り立つ芳醇な響き。ルーセルはドビュッシーやラヴェルの影に隠れて余り聴く機会がないが、もっと演奏されていい曲だと想う。

そして超有名曲、モーツァルト/フルート四重奏曲第1番に続いてグノー/小交響曲。これはフルート1、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2という九重奏曲。田園の風景が目の前に広がるような牧歌的な愉しい曲だった。ここで漸く休憩。

後半のモーツァルト/フルート協奏曲第1番では工藤さん以外に28名のオケ・メンバーが登場。指揮者なしで演奏した。

今回のコンサートで痛感したのは巧いプレイヤーというのは音もデカイ!ということだ。工藤さんもそうだし、グノーの小交響曲でもトップの人の紡ぎ出す音の方がセカンドより良く鳴っていた。

以前プロのフルート奏者にレッスンを受けたことがある。その先生が「たまにウィーン・フィルやベルリン・フィルの演奏を生で聴くと、その音圧に圧倒される」と仰っていた。彼らに比べると日本のオーケストラは「こぢんまりとまとまりすぎている」と。その意味が漸く理解できた気がする。

それからホルン奏者は二人とも日本人だったのだが、やっぱり関西のオケは金管が弱いなぁと改めて痛感した次第である。

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コメント

おひさしぶりです。シンフォニカーの藤崎です。いつも我がオケにも関心を持って頂いて、感謝しております。

この記事中に稲本さんのお話しがありましたけど、私も一度聴いてみたいと思っていた方です。淀工卒業後、オーストリアの学校へ留学した方と聞いています。

吹奏楽の名門校で鍛えられ、その中でも飛び抜けて「伝説の先輩レベル」に上達した人は、当然といえばそうなのですが、そのまま音大へ進学することも多いです。そしてそのままプロになった方は実はかなり沢山いらっしゃいます。
私の大学(京芸)の同級生(管打専修全員で14人だけ)でも、例えばフルートには「サロメ」をやった時の城陽中メンバーが居ました。オーボエは洛南高でしたし、トロンボーンには「セント・アンソニー・ヴァリエーション」初演時の天理高メンバーもいました。「吹奏楽の猛者が沢山いるんだなあ」と思ったのを覚えています。
このトロンボーンの人は浪人したため私と同学年だったのですが、彼の天理高での同級生で一緒にセント・アンソニーを演奏し、しかも現役合格した打楽器の方は、そのまま首席レベルの成績で大学と大学院を卒業し、プロとして活動しています。大阪フィルの堀内さんがその方です。
ちなみに、城陽中のフルートは現在、マレーシアン・フィルの副首席奏者です。
淀工出身では、九響のオーボエの方(「なにわウインズ」にも昨年は出ていらっしゃいましたね)が稲本さんと同じくOBなのだそうです。

プロ奏者の出身校などを一度調べてみると、いろいろと面白い発見があるかもしれませんね。或る意味、日本の学校吹奏楽の歴史が見えたりするかもしれません。(笑)

投稿: 藤崎 | 2008年2月22日 (金) 23時42分

藤崎さん、丁寧なコメントありがとうございます。プロの音楽家に読んで頂いているなんて、とても光栄です。

藤崎さんも出演されていた先日の大阪シンフォニカーの「いずみ定期」、素晴らしい演奏会でした。またザ・シンフォニーホールでのオケコンも聴かせて頂きました。

吹奏楽の名門校からプロ奏者になられた方々のお話、知らないことも多く大変興味深く読ませて頂きました。淀工出身で九響のオーボエをされているのは徳山奈美さんですね。昨年の「なにわ<<オーケストラル>>ウィンズ」演奏会で、丸谷明夫 先生が「うちのOBなんです」と紹介されていました。

藤崎さんのこれからのご活躍を期待しております。まずは3月の河内長野定期演奏会、今からとても待ち遠しいです。

投稿: 雅哉 | 2008年2月23日 (土) 01時09分

初めまして。
今頃になって、6年以上も前のブログに投稿するなんて…と、ビックリされている事かと思いますが…
先にコメントされている 藤崎さん の大学時代の同級生のフルート奏者というのが、実は、城陽中時代の1年上の先輩で、私の尊敬するフルート奏者の1人だという事に気付き、思わず投稿してしまいました。

彼女は当時 (14~15才?)から、技術・音色共に群を抜いていて(もちろん他の先輩も上手かったのですが)、そしてとても努力家でした。
全国大会金賞を目指していましたので、毎日色々と相当シゴかれましたが(笑)、この先輩からは、練習以外の事で叱られる事はなく、苦手な点についても(叱るだけではなく)細かい練習法など的確なアドバイスを沢山して貰いました。
サロメのソロも、個人的には、彼女が吹いた方が上手かったのに、と思っています。

懐かしくなって、長々と書いてしまいました失礼をお詫び申し上げます。

30年ぶりに母校の定演に出る事になり、楽器を引っ張り出し、色んな演奏を聴き… している内に、偶然見つけて飛び込んだページでしたが、色々と興味深い記事も掲載されているご様子… これを機会に、折々拝読させて頂きたいと思っています。

今後、益々のご活躍を お祈りしつつ…

投稿: ずにあ | 2014年9月25日 (木) 09時29分

ずにあさん、コメントありがとうございます。

僕は中学生の時に吹奏楽部でホルンとチューバを担当し、高校時代はフルートを吹いていました。大学入学後は楽器からしばらく遠ざかっていましたが、社会人になってまた吹奏楽団に入りました。20年位離れていても楽器の奏法というのは不思議と忘れないものですね。やはり音楽の記憶は青春そのものだし、僕のレーゾンデートル(存在理由)なんだと再認識した次第です。

投稿: 雅哉 | 2014年9月25日 (木) 23時19分

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