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笑福亭鶴瓶 落語会

兵庫県立芸術文化センター 中ホールに笑福亭鶴瓶さんの落語を聴きに往った。

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鶴瓶さんの落語の前にまず桂 歌之助さんの前座があり、そして三増紋之助さんによる「曲独楽」があった。

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曲独楽は江戸の伝統演芸で、紋之助さんは「上方で受けるかどうか心配でした」と仰っていたが、独楽の刃渡りとか輪抜けとか見ていて愉しく、関西の観客からも拍手喝采を浴びた。特に傑作だったのが糸渡り。映画「となりのトトロ」に感動した三増さんは、その一場面を何とか再現したいと決意。独楽の軸にトトロ人形を乗せ主題歌が流れる中、トトロがクルクル回転しながら糸を渡っていくのである!これには場内大爆笑。この公演の出演者を全て自分で決めているという鶴瓶さんは、早稲田大学の学園祭でこの芸を初めて見て是非関西にも紹介したいと想われたそうである。なお紋之助さんは、北野武監督の映画「座頭市」にも出演されているとか。

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さて、いよいよ鶴瓶さんの登場。高座は紅白歌合戦を司会されたときの裏話などから始まった。映画「母べえ」にキャスティングされ、吉永小百合さんより7歳年下なのに彼女の叔父役を演じた話も可笑しかった。さすがは話術のプロフェッショナル。瞬く間に聴衆を自分の世界に引込み、魅了した。私落語の「青春グラフティ 松岡」は高校時代のユニークな同級生のエピソードである。想い出話でありながら単なる漫談ではなく、落ち(さげ)もあってちゃんと落語になっているのがお見事。

中入りをはさんでの「死神」は古典落語の新解釈。原話はグリム童話の「死神の名付親」で、それを元に明治時代に三遊亭 圓朝(さんゆうてい えんちょう)が翻案したとされている。鶴瓶さんはオリジナルの落語自体は全然面白いと想われなかったそうで、それを鶴瓶流にアレンジし喋っているうちにどんどん練り直していかれたそうである。聴き応えのある、完成度の高い噺だった。それにしてもお囃子の三味線は怪談によく似合う。

休憩を含み2時間40分の長丁場だったが、片時も退屈しなかった。これで3,500円の入場料は安いものだ。古典芸能を満喫した一日だった。

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