教会音楽シリーズ「クリスマス・オラトリオ」
12月25日、日本テレマン協会の教会音楽シリーズ「クリスマス・オラトリオ」(J.S.バッハ)に往った。場所は兵庫県西宮市にあるカトリック夙川教会聖堂である。ここで「クリスマス・オラトリオ」が演奏されるのは8年ぶりとのこと。
前回ここで聴いた「メサイア」(ヘンデル)はバロック楽器による演奏だったが、「クリスマス・オラトリオ」はモダン楽器を使用したピリオド奏法による演奏だった。弦楽器だけではなく、フルートもビブラートなしで吹かれていた。フルートのトップは先日いずみシンフォニエッタ大阪の「第九」にも参加されていた森本英希さん。大変美しいチェロの音色を聴かせて下さったのは「メサイア」に引き続き客演された、元・日本テレマン協会首席チェリストの上塚憲一さんである。また、ティンパニはバロック・ティンパニが用いられていた。
独唱のソプラノ/中村朋子さん、テノール/畑 儀文さん、バス/篠部信宏さんらはいずみシンフォニエッタ大阪の「第九」特別編成合唱団に選抜されており、テレマン室内合唱団も非常に質の高いアンサンブルを聴かせてくれた。
今回演奏されたのは第一部から三部まで。「クリスマス・オラトリオ」についての詳しいことはブログ「お茶の時間」にしませんか?に書かれているので、ここにご紹介しておく。歌詞の日本語訳は舞台正面にスライドで映写された。
悲劇的で峻厳とした「ヨハネ受難曲」や、哀切と諦念の「マタイ受難曲」とは異なり、キリスト誕生を祝う「クリスマス・オラトリオ」は明るく、華やいだ気分に溢れている。僕は映画のタイトルにもなった歓びを歌にのせてという言葉を想い出しながら、心地よく聴いた。
バッハの後は以下のクリスマス・キャロルも演奏された。
・もろびとこぞりて
・牧人ひつじを
・あら野のはてに
・神の御子はこよいしも
・しずけき(きよしこの夜)
「きよしこの夜」では指揮の延原武春さんが客席を振り向き、集った聴衆皆で歌った。クリスマスを教会で過ごす…初めての、とても素敵な体験だった。
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