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2007年12月15日 (土)

続・クリスマスの思い出

前記事「クリスマスの思い出」でうっかり失念していた映画を、ふと思い出したので追記しておく。

それは「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002)である。日本語に訳せば「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」ということになるだろうか。

天才詐欺師と呼ばれたフランク・W・アバグネイルの自伝小説をスティーブン・スピルバーグ監督が映画化したもの。短期間で撮られた低予算の作品だがスピルバーグは大作よりもむしろ、こういう肩の力が抜けた小粋な作品が良い。

レオナルド・ディカプリオ演じる主人公フランクの父親を演じたクリストファー・ウォーケンが味があって素晴らしい。アカデミー助演男優賞にノミネートされるのも納得がゆく。

フランクは高校生の時、両親が離婚すると聞きショックで家を飛び出す。やがて生活のために偽造小切手の詐欺に手を染める。彼はクリスマスごとにトム・ハンクス演じるFBI捜査官に電話を掛けるのだが、このふたりが疑似親子みたいな関係なのが面白い。

実際に両親が離婚し母子家庭に育ったスピルバーグは「未知との遭遇」や「E.T.」など、父親不在の映画を撮り続けて来た。その彼が初めて真摯に父性と向き合った作品とも言える。これは彼自身が父親となったことと決して無関係ではないだろう。

犯罪映画ではあるが明るく軽やかでクリスマスに相応しいし、この作品を通して家族の絆について想いを馳せるのもまた一興だろう。

また、壮大でシンフォニックな音楽を得意とするジョン・ウイリアムズが、小編成でJAZZYな曲を提供しているのも珍しい。

ちなみに「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」は現在、ブロードウェイ・ミュージカル版が製作進行中で、「ヘアスプレー」のスコット・ウィットマン(作詞)とマーク・シェイマン(作曲)のコンビが手掛けるそうだ。そちらも非常に愉しみである。

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