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2007年11月 5日 (月)

バロックダンスと古楽器の競演

ベテル室内アンサンブル第十回演奏会に往った。今回は 〜華麗なバロックダンスとオリジナル楽器による音楽の愉しみ〜 と題されている。

会場は神戸市東灘区(阪急線御影駅近く)にある「母の家ベテル」である。キリストの福音を宣教するプロテスタントのシスターたちの共同体だそうだ。

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バッハ以前の音楽は教会と深く結びついていたので、日本で古楽が演奏されるときも教会で行われることは多い。例えば世界的にも有名なバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の神戸定期演奏会は神戸松蔭女子学院大学チャペルで行われているし、日本テレマン協会も「教会音楽シリーズ」をカトリック夙川教会聖堂で行っている。

鈴木雅明/BCJによる「ヨハネ受難曲」を神戸松蔭チャペルで聴いた時は、まさに音が天から降り注いでくるという特別な体験をした。成る程、バッハの曲はこのような音響効果を予め想定して書かれたのだということが初めて理解出来て、深い感動を覚えた。ちなみにスウェーデンのBISレーベルから発売されているBCJのCDはこのチャペルでレコーディングされている。

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今回の演奏会はバロックダンスという珍しさも手伝ってか、会場は大盛況。目算でざっと200人以上の聴衆がいたと想われる。

バロックダンスとは元々フランスで生まれた宮廷舞踏である。つまり当時は貴族たちによって優雅に踊られていた。オリヴィア・ハッセーが15歳の時に主演した映画「ロミオとジュリエット」(1968)とか、アカデミー作品賞を受賞した「恋に落ちたシェイクスピア」(1998)などの舞踏会シーンを想い出して頂ければ、なんとなく雰囲気がお分かりになるだろう。

さて、ベテル室内アンサンブルはバロック音楽を専門とする団体で、当初はモダン楽器を使用していたようだが第三回演奏会よりオリジナル楽器(古楽器)で演奏している。

フラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)の榎田雅祥さんは大阪フィルハーモニー交響楽団の首席フルート奏者である。榎田さんがモダン楽器で吹くC.P.E.バッハ(大バッハの次男)/フルート協奏曲は大阪クラシックで聴いたのだが、トラヴェルソによる演奏は初めて聴いた。良かった!榎田さん、是非来年は大阪クラシックでもトラヴェルソの美しい音色を聴かせて下さい。ちなみに榎田さんは淀工の丸ちゃん(丸谷明夫 先生)が指揮する吹奏楽団、なにわ<<オーケストラル>>ウインズのメンバーでもある。

また、今回急遽出演出来なくなったヴィオラ・ダ・ガンバの内藤謙一さんは大阪センチュリー交響楽団のコントラバス奏者で、鈴木秀美さんが率いる古楽器によるオーケストラ・リベラ・クラシカのメンバーでもある。さらに内藤さんも、なにわ<<オーケストラル>>ウィンズに参加されている。オリジナル楽器によるバロック音楽から吹奏楽コンクール課題曲まで。非常に柔軟性のある音楽家たちである。

金子鈴太郎さんは大阪シンフォニカー交響楽団の特別首席チェロ奏者である。今回はエンドピンのない(つまり床に固定せず、両足で挟み宙に浮いた状態で弾く)バロック・チェロを演奏され、バロック弓のお話なども途中して下さった。特に素晴らしかったのがバロックダンスと共に演奏されたバッハ/無伴奏チェロ組曲第1番。鈴木秀美さんのエッセイに、この曲は舞曲であると書かれていたが、まさか本当にこれを伴奏に踊られる情景を観る機会が訪れようとは想ってもみなかった。貴重な体験だった。余談だが、ブログ「お茶の時間」にしませんか?によると金子さんは大阪フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターである長原幸太さんと大の仲良しらしい。

チェンバロの澤田知佳さんは、日本一のチェンバリストにしてチェンバロ界の貴公子=中野振一郎 先生のお弟子さんである。以前彼女のソロを中野先生が主催する「くらぶさん倶楽部」で聴いたことがある。澤田さんは大変可愛らしいブログ「チェンバロ弾きのおしゃべりroom」をされているので、ご紹介しておく。

バロック・ヴァイオリンの原田潤一さんは、立命館大学法学部卒業後、オーストラリアの音楽院に留学されたという面白い経歴の方である。

このコンサートでは大バッハ・ヘンデル・テレマン・コレルリなどの音楽が演奏された。アンサンブルの質も高く、大変充実した2時間だった。また、バロック音楽が舞踏と密接な関係があることもよく理解出来た。次回の第十一回演奏会は、どんな企画になるのだろう?今から愉しみだ。

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コメント

はじめまして♪ブログの紹介、トラックバックもありがとうございます。バロックダンスは衣装も豪華で素敵でしたね!
チェンバロの演奏も、また宜しければ聴いていただけると嬉しいです。

投稿: ちぃ | 2007年11月 6日 (火) 00時44分

澤田さん、コメントありがとうございます。光栄です。

バロックダンスもそうですが、澤田さんの指から紡ぎ出されるチェンバロの華麗な音色も素敵でしたよ!

また「くらぶさん倶楽部」等で澤田さんの演奏を聴かせて頂きますね。

投稿: 雅哉 | 2007年11月 6日 (火) 08時52分

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