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2007年11月19日 (月)

第20回全日本マーチングコンテスト(高校) 前編

大阪城ホールで開催された第20回全日本マーチングコンテスト(高校以上の部)を観に往った。

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金賞を受賞したのは以下の団体である。

東関東代表 柏市立柏高等学校(千葉) 習志野市立習志野高等学校(千葉)

西関東代表 東京農業大学第二高等学校(群馬)

関西代表 大阪府立淀川工科高等学校 向陽台高等学校(大阪) 滝川第二高等学校(兵庫)

中国代表 明誠学院高等学校(岡山)

九州代表 精華女子高等学校(福岡)

こうして並べると地域格差は一目瞭然だろう。関西強し。そして関東より北の地域がない。ちなみに中学の部で金賞を受賞したのは東京1、関西2、東海1、四国1、九州2の団体であり、高校同様の傾向が見られる。北国は寒くて冬季の練習がままならないのだろうか?

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個々について感想を述べてゆこう。まずは関西勢から。

大阪府立淀川工科高等学校 最初「リンカンシャーの花束」で弱音の美しいハーモニーを聴かせ、元気一杯の「ハイデックスベルク万歳!」で行進を開始。隊列を崩して大きく広がり、愉しい「カーペンターズ フォーエバー」で盛り上げる。そして最後は「六甲おろし」でしめる。さすが淀工、鉄板の演奏であった。

ただ、淀工がマーチングコンテストで披露する曲は毎年同じなので、たまには別のパターンも観てみたいというのも正直な気持ちである。しかしそれは観客の勝手な想いであって、「部活動は学校教育の一環である」という強い信念で指導されている丸谷 先生や葦苅 先生にとっては関係の無いことなのだろう。ここは競技の場であって、エキシビションではないのだから。

そうそう、淀工が「ハイデックスベルク万歳!」で行進している時、客席から自然と手拍子が沸き起こった。それまでの他校では見られなかった光景だ。僕の席の後方に、北海道から見に来ていたお母さん方がいて、「どうしてここだけ手拍子が起こるの!?」と憤っておられた。そりゃあ地元大阪ですから。淀工の人気は凄いんです。

滝川第二高等学校 公式サイトはこちら。滝二といえばJ. ヴァン=デル=ローストが作曲した格好いいマーチ「アルセナール」である。「アルセナール」は滝二の代名詞であり、自家薬籠(じかやくろう)のものとする曲。このマーチは近年大変人気が高く、今回のコンテストでも4校が取り上げた。しかしこれをさせたら滝二は他の追随を許さない。堂々たる王者の行進であった。どうせ滝二には敵いっこないんだから、そろそろ他校は「アルセナール」を諦めた方がいい。僕の前に滝二OBの女の子たちが坐っていて、他校がこれを演奏する度にズル~ッという感じで、席からずっこけていたのが可笑しかった。

「アルセナール」の後に滝二が演奏したのは「Mr. インクレディブル」。ピクサー・アニメーションの最高傑作である。マイケル・ジアッチーノが書いたスコアは007のテーマを彷彿とさせるJAZZYな名曲で、金管セクションが咆哮し生徒たちもスイングしてノッていた。

向陽台高等学校 公式サイトはこちら。何だか女の子ばかりだなぁと想って観ていたのだが、どうやら吹奏楽コースの生徒募集は女子のみのようである。

前から何度も書いてきたことだが、向陽台ウィンドバンドの特徴は軍隊式規律の正しさで、そのきびきびと無駄のない動きは見ていて爽快である。今回の向陽台は大会中最もユニークな演技であった。まずマーチングなのに全員の合唱があって度肝を抜き、さらに見た事もない面白いステップで観客を魅了した。またベートーベンの第九が使用されたのだが、それが途中からサンバ調になるのも意表を突いた。文句なしの金。彼女たちにはベスト・パフォーマンス賞を進呈したい。

京都橘高等学校  3つのを獲得した関西勢の中で、京都橘は唯一の賞であった。しかし内容的には充実しており、賞の中でも上位に入るのではないかと僕には想われた。

橘はミニスカートのユニフォームが可愛く、とても華があるバンドなので僕は大好きだ。今回も終盤の若さ弾ける「シング・シング・シング」が特に良かった。ただ見終わって、が獲れるかどうかはビミョ~だなぁと感じたのも事実である。

まず違和感を覚えたのが今回の出場高の中で唯一、旗を持つカラーガード隊がいたことである。本大会は色彩感を競うマーチング・ショウではなく、あくまで行進主体なのでカラーガード隊は余分に想われた。今まで頑張ってきた生徒たちを、ひとりでも多く出してあげたいという学校側の気遣いは理解できる。しかしここは真剣勝負の場である。温情がかえって徒となることもあるのではないだろうか?もっと出場する生徒を厳選すべきであった。結果がどうでもいいのであればコンテストに端から出場しなければいいのである。出るからにはをしゃにむに目指すべきだし、それが可能なバンドだけに非常に惜しい気がした。コンテストではミニスカートも少々浮いていた。例えば淀工や精華女子は非常に立派なマーチングのユニフォームを持っている。しかしマーチングコンテストでは両校とも敢えてジャージを着て出場している。何故か?それは大会規定に「過度な演出や華美な服装は求めてはいません」と明記されているからである。京都橘を指導する先生たちも、もっと場の空気を読むべきではなかろうか?

結構きつい事を書いた。これも京都橘というバンドを愛し、その飛躍を心から願う故である。どうかご理解頂きたい。

さて、長くなってしまったので続きは後日!乞ご期待。

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