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2007年10月 3日 (水)

エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜

Lamome2

評価:A

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この映画が好きか嫌いかは差し置いて、とにかく凄いものを観た。それが率直な感想である。

なんと言っても圧巻なのは女優マリオン・コティヤールである。エディット・ピアフの魂が乗り移った、そう表現するしかない。全身全霊を込めた壮絶な演技。最早僕に出来ることは、彼女の前にただひれ伏すのみである。これは未曾有の体験だ。

僕はこの映画を観ながら、ずっと「風と共に去りぬ」でスカーレット・オハラを演じた、ヴィヴィアン・リーのことを想い出していた。どんな大女優でも、これだけの役を演じるチャンスは一生に一度訪れるかどうか。一期一会、女優冥利に尽きると言わねばなるまい。

これが英語の映画なら彼女は間違いなくアカデミー主演女優賞を受賞するだろう。フランス映画というハンディはあるが、少なくともアカデミー賞ノミネートは確実。イタリア語を喋ってオスカーを受賞した「ライフ・イズ・ビューティフル」のロベルト・ベニーニの前例もあるから受賞も不可能ではない。

作品自体の出来も素晴らしい。現在と過去が複雑に交差する語り口なので、時系列がバラバラで分かりにくいという欠点は確かにあるが、これはドキュメンタリー・タッチを目指したものではない。むしろ記憶の曖昧さ、人の感情の流れに寄り添った映画なのである。

ネタバレになるので詳しいことは書けないが、ピアフの人生の転機となる、ある重要な場面をワン・シーン、ワン・カットで撮った手法には唸らされた。さらにヴォイス・トレーニングを受けた後に彼女が大劇場デビューを果たす場面で、敢えてピアフの歌声を使わずに映像だけで勝負した演出も見事だった。

撮影監督が日本人の永田鉄男(「大停電の夜に」)であることも特記しておきたい。

最後に、このブログをお読みの貴方に謹んで申し上げる。

四の五の言わずとにかく観ろ!

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