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2007年10月17日 (水)

ザ・シンフォニーホール開館25周年記念ガラ・コンサート

Gala

ザ・シンフォニーホール開館25周年を記念し、縁のあるアーティストが一同に集結するガラ(祝祭)コンサートが2日間にわたり行われた。

その2日目、10月14日(日)に往ったのだが13時から御堂筋パレードを見て、その足で15時からのガラに駆けつけるというハード・スケジュールであった。

出演者は井上道義(指揮)、千住真理子(ヴァイオリン)、大岩千穂(ソプラノ)、佐野成宏(テノール)、及川浩治(ピアノ)、ジェームズ・ゴールウェイ(フルート)、そして大阪フィルハーモニー交響楽団(コンサートマスター:梅沢和人 )という豪華メンバー。チケットは早々に完売し、補助席や立ち見もあった。

プログラム最初はワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲。ザ・シンフォニーホールのこけら落とし公演で、朝比奈 隆が大フィルを振って最初に演奏されたのがこの曲である。これはまた、今年の大阪クラシックでオープニングを飾った。

気宇壮大な演奏だった。井上さんは指揮棒なしで振られた(プログラム最後の「ローマの松」は指揮棒あり。曲によって使い分けておられるようだった)。

今回一番詰まらなかったのが千住真理子さんの演奏。とにかく音が濁って汚い!これは千住さんの弾き方に問題があるのだろう。

千住さんの愛器はストラディヴァリウスの中でも黄金期に製作され幻の名器と呼ばれた「デュランティ」。日本画家の千住博、作曲家の千住明ら兄弟の協力もあリ多額の借金をして手に入れたものだそうだ。

チャイコフスキー国際コンクールで優勝した諏訪内晶子さんが使用しているストラディヴァリウス「ドルフィン」はかつて巨匠ヤッシャ・ハイフェッツが使用していたもので、日本音楽財団から貸与されている。

また、今年チャイコフスキー国際コンクールで優勝した神尾真由子さんの使用しているストラディヴァリウスは以前、ヨーゼフ・ヨアヒム(ブラームスがヴァイオリン協奏曲を献呈した人)が所有していたもので、2001年(まだ彼女が15歳の時!)にサントリー財団より貸与された。

今回千住さんの演奏を聴いて感じたのは、結局パガニーニ国際コンクール4位の実力に過ぎないなということだ(ちなみに同コンクールで優勝した庄司紗矢香さんは日本音楽財団より貸与されたストラディヴァリウス「ヨアヒム」を使用している)。

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ガラの話に戻ろう。続いてヴェルディの歌劇「椿姫」から抜粋。テノールの佐野さんの輝かしい美声が圧巻!佐野さんを始めて聴いたのが大フィルの定期、ベルディ/レクイエム。それに聴き惚れたのが今回ガラ2日目を選んだ最大の理由である。期待に違わぬ素晴らしさだった。

休憩をはさんで及川さんが登場してリスト/ピアノ協奏曲。以前、映像や音声で接した及川さんの演奏はミス・タッチが目立ち、タメが多くテンポも一定しないので余り好きなピアニストではなかった。

しかし、実際生で聴くと少々荒っぽいが大変な熱演だった。及川さんの動作は激しくて見ていて可笑しい。足は踏み鳴らすは唸り声は派手に聞こえるはで、おまけに弾いている途中に左右の腕を垂直に高く挙げるパフォーマンスには唖然とした。及川さんって爆演系の人だったんだ。言い換えるならエンターテイナー。ステージの出入の時はきょろきょろして落ち着きがないことこの上ない。「なんて過剰な人なんだ!」と今回非常に好感を抱いた。

お次はジェームズ・ゴールウェイのフルート。ゴールウェイはカラヤン時代のベルリン・フィルで首席奏者を務めていた。彼の音は華麗でよく響く。フルートってこれだけの音量が出るんだと驚かされるくらいである。

まずモーツァルトのフルート協奏曲。フラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)による古楽演奏の素朴な音に聴きなれると、ゴールウェイによるモダン楽器の性能を駆使した色彩豊かなモーツァルトは全く別物だなという印象が強い。モーツァルトの頭の中に響いていた音楽とはかけ離れているだろうが、こういうのもアリだなと想った。

夫人と共演による「トルコ行進曲」を経てヘンリー・マンシーニ作曲によるメドレー。映画「ピンク・パンサー」や「グレート・レース」などの明るく賑やかな音楽は、これぞゴールウェイの独壇場。「ハタリ」〜小象の行進はフルートではなく縦笛に持ち替えての演奏。途中客席に「ヘンリー!」という合いの手を求めて、なかなか愉しいひと時だった。

とにかく盛り沢山で、入場料(A席8000円)の元は十分取らせてもらった。満ち足りた気分で帰途についたのであった。

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コメント

こんにちは。
千住さんの演奏の感想ですが、私も常々彼女の演奏は「?」でした。
名器が泣いてるなって・・・。

投稿: ky | 2007年10月17日 (水) 20時55分

kyさん、コメントありがとうございます。仰るとおりですね。

投稿: 雅哉 | 2007年10月18日 (木) 11時12分

こんにちは、はじめまして。
いつも拝見してます。

千住真理子さんのファンとして気になったので・・・
彼女の音は特有のものがあり、それがお気に召さなかったのでしたら恐れ入るところです。。。
弾き方といってもいろいろありますでしょう、どんなところが悪かったと思われますか?
なかなか厄介ですね。
彼女にしてみればそれも曲想のうちなのかもですし、演奏のレベルのほうは彼女が今まで歩んできた歴史がすべてを物語っているのではないでしょうか。
それとパガニーニ国際は世界最高峰のソロコンクールですから入賞者全員に最高の賞賛がなされております。

投稿: アカルイくらりねっと | 2007年10月24日 (水) 16時59分

アカルイくらりねっと様、コメントありがとうございます。貴サイトは時々拝見させて頂いてます。

「エンターテイメント日誌」は映画や音楽などについて批評をしておりますが、好意的感想を書くこともあれば否定的感想を書くこともあります。それは木戸銭払ってプロの演奏を聴きにわざわざ足を運んでいる聴衆に与えられた権利だと僕は考えています。

音楽というのは抽象的芸術ですし、同じものを聴いても人によって感想は様々だと想います。雑誌「レコード芸術」はひとつのCDに対して複数の批評を掲載していますが、ひとりが推薦盤に推しても、もう一方は全く評価しないケースもしばしば見受けられます。

千住さんの演奏を聴いて、僕は本来聴こえるべきではない雑音が耳障りで、音が濁っていると感じましたし、それをアカルイくらりねっと様は「彼女特有の音」と評価される。これは各々の価値観、感性の違いであってどちらが正解ということはないだろうと想います。ですからこれ以上議論しても詮無いことと考えます。

後はこれを読まれた読者の方が、ご自分の耳で確かめて頂ければそれで良いのではないでしょうか?

投稿: 雅哉 | 2007年10月25日 (木) 10時59分

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