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2007年9月10日 (月)

大阪クラシック2007 《5日目》

大阪クラシック5日目(木)。この日は予め開催日を見越して2ヶ月前から夏休みを取っていた。

第1公演:カフェ・ド・ラ・ペに野津臣貴博さんのフルートを聴きに往く。前日は無伴奏ソロだったが、今回はピアノ伴奏つき。

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まずノブロ/メロディー。ノブロという作曲家はこの曲しか知られておらず、その人となりは不詳らしい。そしてプロコフィエフ/フルート・ソナタ。この初演を聴いたダヴィッド・オイストラフはプロコフィエフに依頼してヴァイオリン・ソナタに作り直してもらい、そちらの方が有名になってしまったとか。初めて聴いたけれどいい曲でした。

第2公演:淀屋橋に移動して明治安田生命大阪御堂筋ビルで行われたヴァイオリンとヴィオラのデュオ。ちょうどお昼時でOLなどが立ち寄って耳を傾けていた。演奏されたのはパガニーニと同時代に生きたイタリアの作曲家ロッラの作品。ここで大阪クラシックのプロデューサー、大植英次さん登場。大植さんもロッラは聴いたことがないと仰っていた。

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上の写真左がヴァイオリンの鈴木玲子さん、右がヴィオラの川元靖子さん。鈴木さんはなんと、この大阪クラシックにソロやアンサンブルなど8公演に出演。最終公演の「新世界」も弾いていたので計9回!大フィルNo.1のハリキリ娘である。ちなみに最多出演は岩井英樹さん(ヴィオラ)の10回らしい。このふたりに大阪クラシック功労賞を差し上げたい!リハーサルのやりくりとか大変だったろうな。

さて、中之島倶楽部でオムライスを食べて本町のスターバックスコーヒーに移動。第3公演までまだ1時間くらいあるのにもう良い席は埋まっている。暫く店内をウロウロして、立ち去る人を目ざとく発見。なんとか座ることが出来た。

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ドヴォルザーク/三重奏曲が終わっても、席を立つ人は殆どいない。皆1時間後の第5公演を続けて聴くようだ。結局僕も計3時間、スタバに居座った。

第5公演はヴァイオリン2本とコントラバスでJ.C.バッハやテレマンのトリオ・ソナタを聴かせて貰った。

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感心したのはちゃんとノンビブラートによるピリオド奏法で演奏されたことである。虚飾のないpure tone。真っ直ぐな響きが心地よく耳をくすぐる。やっぱりバロックにビブラートはいらない。力武千幸さん、横山恵理さん、そして松村洋介さん、素敵なひと時をありがとう。あなた方のように原典に誠実であろうとする奏者がもっと増えて、大フィルの意識改革が進むことを願っています。

さて、カフェ・ド・ラ・ペに舞い戻って第7公演:ブラームス/ホルン三重奏。大植さんもやって来られた。

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写真中央、先端にじょうごが付いたホースがとぐろを巻き、床に置かれているのがお分かりいただけるだろうか?ホルンの村上哲さんはあれにホルンのマウスピースを差し込んで「アメイジング・グレイス」を演奏して下さった。朴訥で案外良い音がした。

ブラームスも聴き応えがあったが、それに輪をかけて素晴らしかったのはアンコールで演奏されたケクラン/4つの小品より第2曲。これは隠れた名曲だった。また、クライスラー/愛の喜び は村上さんも「恐らくこの編成(ホルン・ヴァイオリン・ピアノ)でクライスラーをやるのは世界で初めてでしょう」と仰っていたが、大変面白く、貴重な体験だった。こうして大阪クラシック三昧の一日は更けていった。

以下余談である。朝の陽光差し込むカフォ・ド・ラ・ペ。くつろぎながら演奏が始まるのを待っていると、どうやら大フィルのコンサートマスター:長原幸太さん(26)のファンらしき女性の会話が聞こえて来た。彼のヴァイオリンとどのようにして出会い、その音色が如何に素晴らしいかを熱く語っておられる……。ふと気付くといつの間にか話題が変わり、姪御さんが出た関西吹奏楽コンクールを聴きに京都へ往った話になっている。

「でもね、当日券は20枚しか出なかったそうなんですよ。わざわざ往ったのに会場内に入れなくて、仕方なしに京都見物をされて帰られた方のブログを読みました」……も、もしかすると、それって僕の書いた玉砕!関西吹奏楽コンクール〜京都頂上作戦のことなのでは!?思わずカミングアウトしようかという衝動に駆られたが、そのウズウズする気持ちを懸命に堪えたのだった。

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