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2007年9月18日 (火)

一筋縄ではいかぬ男、児玉 宏〜名曲コンサート

これは、今、飛躍の時。〜児玉 宏/大阪シンフォニカー 定期と併せてお読みいただきたい。

低料金で良い音楽を!をモットーに、大阪シンフォニカー交響楽団が続けている「名曲コンサート(第48回)」に往った。指揮は来年度から音楽監督に就任することが発表された児玉 宏さんである。

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「名曲コンサート」と銘打ちながら児玉さんの投げてくるのは予想をはるかに超えるくせ球である。モーツァルトとプーランクの2台のピアノのための協奏曲という、滅多に演奏されない曲を中心に持ってきて、それをシューベルトの「未完成」とプロコフィエフの「古典交響曲」という小交響曲ではさむという凝った構成となっている。ちなみに来年、児玉さんが振る「名曲コンサート」ではグノー/交響曲第2番が演奏される予定である。これ、生で聴いたことあります??

シューベルトは速めのテンポで進められ、贅肉を削ぎ落として引き締まった解釈であった。弦が歌う箇所でも決してタメたりすることはなく、曲の骨格がはっきり見えてくる。素晴らしい!この特徴はプロコフィエフも同様で、特に4楽章の鮮やかな快速球にはスカッとした。シンフォニカーも好演。

協奏曲についてはどうしても独奏者の解釈に左右されるので、児玉さんの特徴が出ているとは言い難いが、ビブラートが控えめで延ばした音もあっさり減衰するモーツァルトもなかなか良かったし、続けて聴くとプーランクの曲はモーツァルトへのオマージュなんだなというのがよく分かった。巧みなプログラム構成の妙である。

それにしても児玉さん、今回は全てスコアを見ながら振っておられたが、先日のブルックナーでは暗譜だった。さすがブルックナー指揮者、命懸けてるな。

最後に、大変面白い児玉語録が掲載されているブログ「ふーじーの見た空」をご紹介しておく。こちらからどうぞ。

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コメント

こんにちは。
『嵯峨野にわか住人の日記』というブログをやってます J.D. と申します。
TB、どうもありがとうございました。
お返し差し上げようと思いましたが、私のブログからはうまくいきませんでしたので、コメントにて。

残念ながら名曲コンサートの方は聴けませんで定期のみでしたが、とても素晴らしい演奏でしたね。
昨年の7番もよかったですし、関西でブルックナーを聴くのなら、大植&大フィルを差し置いて児玉&シンフォニカーがもはや№1でしょう!
プログラムもですが、定期のあとボチボチ出てきた新聞記事を見ましても児玉さんから並々ならぬ意欲が伝わってきますし、先がとても楽しみです。とりあえず3年契約らしいのですが、長期政権になることを願ってます。

投稿: J.D. | 2007年11月 3日 (土) 16時03分

J.D.さん、ようこそお越し下さいました。

仰るとおりブルックナーは児玉さんの独壇場ですね。一方の大植さんはマーラーが得意ですから住み分けが出来て、これから関西はどんどん面白くなっていくのではないでしょうか?

児玉さんにはじっくり腰を落ち着けて末永くシンフォニカーを育てていって頂きたいです。

投稿: 雅哉 | 2007年11月 5日 (月) 09時08分

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