大阪クラシック2007 《2日目》
月曜日。仕事を早めに切り上げ、そごう心斎橋本店14Fのそごう劇場へ。大フィルのメンバーは大阪クラシックに無給で参加しているので、基本的に入場料を取らないが、今回は有料500円の公演。箱代(劇場使用料)ということだろう。あって無きが如し。
演奏されたのはフンメルの七重奏曲。珍しい曲だ。フンメルはベートーベンと同時代の人でメンデルスゾーンの先生だったそうだ。またピアノの名手でもあり、ショパンに多大な影響を与えたとか。
曲が始まる前に音楽監督の大植英次さんが登場。昔この曲のピアノ・パートを弾いたことがあるのだけれど、凄く難しかったと仰っていた。
ロマン派的色彩の濃い美しい曲だった。メンデルスゾーンやシューマンを彷彿とさせた。また、水面に映る陽光のようにきらきら煌めくピアノの音色が素敵だった。
ピアノは浅川晶子さん。大フィルのオーボエ奏者、浅川和宏さんの奥様とのこと。美人で大層上手かった。
アンコールはホルンの池田重一さんが晶子さんの伴奏で「蛍の光」による変奏曲。「蛍の光」の旋律が鳴り響くと同時に、大植さんがさようならと手を振り始めたので会場が笑いで包まれた。曲が終わり、池田さんが照れながら新しく出たCDの宣伝をし、ロビーでも売っていますと言うと、すかさず大植さんが「買ってくださぁ〜い!」と声を張り上げたので、またまた大爆笑。ついでなので、僕も池田さんのCDをご紹介しておく。こちらをクリック。余談だが、池田さんは宮川彬良とアンサンブル・ベガのメンバーでもある(他に大フィルではチェロの近藤さん、コントラバスの新さんもベガのメンバー)。
さて、演奏が終わると速攻で次の会場であるオカムラ大阪ショールームへ徒歩で向かう。こちらでは金井さん、田本さん、そしてブルックス・トーン君によるクラリネット三重奏。大植さんも文字通り駆けつけた。
まず磯部周平「3本のクラリネットのための5つの小品」。磯部さんはNHK交響楽団のクラリネット首席奏者で、金井さんの恩師でもあるそうだ。愉しく分かり易い掌の音楽だった。
ここで金井さんからメンバー紹介。ブルックス・トーン君はお父さんがアメリカ人でお母さんが日本人。最近日本人ピアニスト鷲見真里さんと結婚。鷲見さんとブルックス君は大阪クラシックでも共演とのこと。なんとその夫婦共演した昨日スタバのコンサートは僕もいたのだが、何しろすし詰め状態で新妻の顔なんか全く見えなかった。
続いてモーツァルト「ディベルティメント第2番」。通常のB♭管から音の低いF管(アルト・クラリネット)に持ち変えての演奏。モーツァルトの時代にはバセット・ホルンで演奏された。
演奏が終わって、金井さんが「5楽章でミスをしたのでリベンジさせて下さい」と、5楽章途中から演奏。今度は難なく終わり大喝采。アンコールにこたえてもう一度5楽章を、さらにテンポを上げ超特急で完璧に吹き切った。
お次は第9公演の大阪市中央公会堂。風格のある歴史的建造物である。こちらも500円の有料公演。コンサートマスターの長原幸太さん率いる弦楽セクション中心にオーボエとファゴットが加わり、指揮者なしでまずヘンデルの合奏協奏曲。そして名手、橋爪伴之さんのトランペットでネルーダのトランペット協奏曲。トランペットの朗々とした響きが心地よくホールに響き渡る至福の時間。
そして最後に弦楽のみのブリテン「シンプル・シンフォニー」。20世紀イギリスの作曲家ブリテンで演奏されるのは専ら「青少年のための管弦楽入門」ばかりで、これも滅多に演奏される機会はない。大フィル弦楽セクションの底力をまざまざと見せつける名演だった。2楽章の鮮烈なピチカート、3楽章の悲痛な哀歌。そして炎のような4楽章。圧巻である。
音楽家が人々に聴いて欲しいと想っても、こういった曲は知名度が低いのでなかなか商業ベースに乗せることは難しいのかも知れない。今回の大阪クラシックではフンメルの七重奏曲といい、採算を度外視したコンサートだからこそ組めるプログラムというのもあるんだなとしみじみと感じた。素敵な曲を紹介してくれた大フィルのメンバーたちに感謝!
| 固定リンク | 0
「クラシックの悦楽」カテゴリの記事
- 近況報告(あるいは、なぜ当ブログは最近更新頻度が低下しているのか?)(2025.10.16)
- 映画「マエストロ:その音楽と愛と」のディープな世界にようこそ!(劇中に演奏されるマーラー「復活」日本語訳付き)(2024.01.17)
- キリル・ペトレンコ/ベルリン・フィル in 姫路(2023.11.22)
- 原田慶太楼(指揮)/関西フィル:ファジル・サイ「ハーレムの千一夜」と吉松隆の交響曲第3番(2023.07.12)


コメント
近藤浩志さんで検索してたどり着きました!
えっと、吉澤友里絵さんはあくまで「相方さん」で奥様ではないですヨ。
以前アンサンブルベガや大フィルポップスなどでお子様たちと見かけましたが、奥様もお綺麗な方でした。付き人(?)らしき方も美人でしたし、音楽家には美人が集まる!ということでしょうか。。。(笑)
投稿: ショウ | 2007年10月 5日 (金) 11時04分
ショウさん、コメントありがとうございます。
ピアニストの吉澤友里絵さんについて、大フィルの首席チェロ奏者・近藤浩志さんが「私の相方です」と書かれていたので、てっきりそれは奥様の意味だと勘違いしてしまいました。
誤解に基づく文章を本文から削除しました。大変失礼致しました。
投稿: 雅哉 | 2007年10月 5日 (金) 11時26分