大阪クラシック2007 《4日目》
大阪クラシック3日目は淀工を聴くために西成に往ったので、参戦していない。4日目(水)は仕事がOFFだったので朝から突撃した。(ここで念のため断っておくが、奏者が演奏中の写真は全てリハーサル時のものである。本番中に撮るような無作法はしていない)
第1公演:オカムラ大阪ショールーム(心斎橋)でヴァイオリンとコントラバスのデュオ。
第2公演:カフェ・ド・ラ・ペ(難波)でピアノ三重奏。椅子が沢山設置され、天井も高く心地よい空間だった。ここのコーヒーや紅茶も美味しかった。お店のスタッフは親切で感じが良い。来年も是非大阪クラシックはこの会場でやって欲しい。
第3公演のスターバックスコーヒーは初日の混雑(すし詰め)に閉口したので諦めて、カフェ・ド・ラ・ペにそのまま留まり第4公演のフォーレ/ピアノ四重奏を聴く。
この曲はヴァイオリンの今城朋子さんがやりたいと言い出して、ピアノの奈良田朋子さんも弾いてみて涙が流れるくらい気に入ったそうだ。特に第3楽章アダージョは自分の葬式で流して欲しいと切望するほど。フランス的エスプリに満ちた美しい曲だった。
今城さんとチェロの近藤浩志さんの組み合わせは昨年の大阪クラシックの時、ブルックス・トーン君のクラリネットでモーツァルトのクラリネット五重奏を聴いている。近藤さんは大フィルの主席だから上手いのは当然だが、今城さんも大変才能あるヴァイオリニストだ。若手のホープだね。これからも期待しています。
フォーレを最後まで聴いたので、弁護士会館のC.P.E.バッハ(大バッハの次男)には間に合わず、到着すると既に1楽章の途中だった。
しかし残る楽章は、榎田雅祥さんによる天駆けるフルートの華麗な音色を堪能した。特にテンポの速い3楽章は超絶技巧で圧巻だった。やっぱりC.P.E.は最高!ただし、榎田さんはバロック・フルート=フラウト・トラヴェルソも演奏される方なので、できればトラヴェルソで聴きたかったな。ビブラートを掛けた現代奏法によるC.P.E.というのは些か残念だった(バロック弦同様、トラヴェルソはビブラートなしで吹く)。弁護士会館1Fエントランスは、音が遠くまで響いてなかなか良かった。リハーサルの合間を縫って大植英次さんが来られていた。
続いて第7公演:高島屋大阪店(難波)での野津臣貴博さんの無伴奏フルート。ドビュッシー/パンの笛、ジョリヴェ/5つの呪文 など珍しい曲を聴かせて貰えて愉しめた。
最後に第9公演を聴きに大阪市中央公会堂へ。大植さんとコンサートマスターの長原幸太さんという人気者が出演するだけに早々と長蛇の列。並んでる間にスタバが新発売のフラペチーノの試食を配ってくれたので有難かった。
J.S.バッハのヴァイオリン協奏曲に引き続きモーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」で大植さんは、指揮台・指揮棒なしで時折奏者に近付いたり、その楽譜を覗き込んだりして指揮されていた。
アンコールではヴィヴァルディの「四季」より春を全楽章演奏してくれた。大植さんがチェンバロの弾き振り。第2楽章では犬の鳴き声を模した音をヴィオラの岩井さんが弾くのだが、大植さんがその楽譜を取り上げて移動、それを岩井さんが弾きながら追っかけたり、接近した岩井さんから長原さんが逃げるなどのパフォーマンスがあり、会場は笑いの渦に包まれた。さらに長原さんのソロでバッハ「サラバンド」のおまけ付きというサービス精神旺盛な内容で大満足。チケット代500円の元は充分取らせて貰った。
僕の隣に座ったおばちゃんたちが、「今年、幸太君が出演するコンサートはほとんど有料なのよ。嫌になっちゃう」とこぼしていたのが笑えた(彼の出た大阪クラシック8公演中、7つが有料)。本当のファンなら500円くらい、せこいこと言うなよ。まあそこが、大阪らしいのだけれど。
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