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ヘアスプレー

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ジョン・ウォーターズ監督の映画「ヘアスプレー」(1987)は2002年にブロードウェイ・ミュージカルとなりトニー賞を作品賞など8部門受賞した。これを元にしたミュージカル映画版は既に今月北米公開が始まり、批評家から破格の高い評価を得ている。日本では今年の10月中旬に公開予定である。なんとこの映画でジョン・トラボルタが女装(ヒロインの母親役)を披露する。公式サイトはこちらをクリック

この舞台「ヘアスプレー」北米ツアー・カンパニーによる来日公演が実現したのでフェスティバルホールに観に往った。僕の坐った席の近くで現役のタカラジェンヌが3人ほど観劇していたので緊張した(「今日は休演日なので来れた」という会話が聞こえた)。間近で観る彼女たちは本当に綺麗だった。

大阪四季劇場で上演中の「オペラ座の怪人」もその前の「マンマ・ミーア!」も東京とは違ってカラオケ上演だが、「ヘアスプレー」の来日公演はちゃんと大阪でも生バンドが演奏してくれた。えらい!四季にも是非見習って欲しいものだ(四季の姿勢を批判しない大阪のマスコミにもその責任はある)。まあ、生演奏と言うのはアメリカでは至極当たり前のことなので「42nd Street」「RENT」「キャバレー」「シカゴ」などの来日公演でも全てそうだった。

1960年代前半のボルティモアを舞台にした「ヘアスプレー」は予想以上に面白いミュージカルであった。まずなにより、マーク・シャイマンのノリのいい音楽が素晴らしい。シャイマンは映画「サウス・パーク/無修正映画版」でもミュージカル仕立ての卓越した仕事をしたが、それを上回る充実した仕上がりである。

舞台装置・衣装のカラフルな色彩感覚や、ベッドで寝ているヒロインを俯瞰ショットで捕らえた(つまりベッドが垂直に立っている)冒頭の演出も愉しい。

人種差別問題を入れながら「ウエストサイド物語」みたに重苦しくはならず、最後はハッピーで能天気な大団円を迎えるという展開もアメリカらしくて良い。

ヒロイン=トレイシー役のブルックリン・プルーバーやトレイシーの母エドナ役のジェリー・オーボイル(女装)が好演。また黒人(今流に言えばアフリカ系アメリカ人)の男の子シーウィード役のクリスチャン・ホワイトは歌に踊りに華のある役者だった。

そしてなんと言っても特筆すべきはトレイシーの親友=ペニー役を演じたアリッサ・マルゲリ。とってもキュートで歌唱力も抜群。彼女は「美女と野獣」のベルや「クレイジー・フォー・ユー」のポリーも演じたことがあるそうだ。

モーターマウス・メイベル役のアンジェラ・バーチェットは歌にパンチがなくて残念だった。映画では「シカゴ」のクィーン・ラティファ が演じるそうなのでそちらに期待したい。あと映画版が待ち遠しいのは踊るクリストファー・ウォーケン(ヒロインの父)!そして厭味なライバルのステージママを演じるミッシェル・ファイファー。

話を舞台に戻そう。幕間にカンパニーによるダンス指導があり、フィナーレは観客も総立ちで踊りまくった。大いに高揚し、実に愉しかった。また再演があれば是非観たい。ただ人種差別問題があるので、日本人キャストのみによる公演は難しいだろうな。

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