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レミーのおいしいレストラン

評価:A-

もう、はっきり書いちゃうけれど来年のアカデミー賞で長編アニメーション部門はこの作品で決まり。他はありえない。ブラッド・バート監督は天才である。

評価にマイナスが付いているのは個人的嗜好の問題だ。どうしてネズミの中でレミーだけフランス語が理解できるのかとか、頭の毛を引っ張ったら何故人間を操作できるのかといったことにリアリティが感じられなかった、ただそれだけの些細なことである。

ブラッド・バートの名を初めて耳にしたのがアニー賞を9部門独占したセル画アニメーション「アイアン・ジャイアント」(ワーナー・ブラザース配給)。これは強引な設定が気になってそれほど好きにはなれなかった。しかし、そういう引っ掛かりが全くなかったCGアニメーション「Mr.インクレディブル」(ピクサー)は僕にとってパーフェクトな作品であった。

ジョン・ラセター監督(「トイ・ストーリー」「カーズ」)を中心とする、ピクサー・アニメーションの特徴は”バディ・ムービー”ということである。仲間が一番。それはラセターが製作総指揮に回った「モンスターズ・インク」や「ファインディング・ニモ」にも当てはまる。しかしそんな中で、途中から飛び入り参加したブラッド・バートの作品は異彩を放っている。「アイアン・ジャイアント」「Mr.インクレディブル」そして「レミーのおいしいレストラン」に共通するテーマは疎外感。主人公は常に人間たちから忌み嫌われる存在である。

そして、バート作品はスピード感が桁外れで凄い。今回の「レミーのおいしいレストラン」でも登場人物たちが息つく暇もなく目まぐるしく動き廻り、あれよあれよという間に怒涛の展開である。

映画は観客が予想もつかないような方向に進み、鮮やかな着地点を迎える。感動的な大団円は「人生は素晴らしい!」としみじみと感じさせてくれる。

原題は「ラタトゥーユ」、フランス南部の野菜煮込み料理のことである。映画を観終わればその意味が分かる。上手いタイトルだ。しかし、日本人には馴染みが薄い言葉なのでこの邦題も悪くない。

字幕・吹替版の料理翻訳監修を行ったのは元祖料理の鉄人で、レストラン「クィーン・アリス」のオーナーである石鍋 裕さんである。ちなみに「クィーン・アリス」は日本全国で27店舗もあるそうだ。手を広げすぎではなかろうか?香川県高松市の高松シンボルタワー30Fにある支店と大阪市の国立国際美術館B1階のお店では料理を頂いたことがある。まあ、中身はたいしたことはなく、値段に見合わない。ただ、デザートだけは確かに美味しい。ということはつまり、菓子店のパディスリー クイーン・アリスでデザートさえ買えばことたりるということだ。

ではBon Appetit (ボナペティ) !

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