ボルベール<帰郷>
評価:B
ボルベールとは戻る、復帰するという意味。スペインのペドロ・アルモドバル監督最新作である。同性愛者である彼の「オール・アバウト・マイ・マザー」(アカデミー外国語映画賞受賞)は”母なるもの全て”への賛歌であったが、今回も女性たちを讃える映画になっている。
ミステリー仕立てになっているがそのトリックはお粗末で、真相はミエミエ。でも映画の作り手たちにとって語りたいことは他にあって、そんなことは瑣事なのだろう。
ペネロペ・クルスが素晴らしい。往年のイタリア女優、クラウディア・カルディナーレとかソフィア・ローレンなどを彷彿とさせる圧倒的存在感がある。結果的にトム・クルーズに振られてハリウッドから帰還(ボルベール)したことは、彼女にとって幸せだったのではなかろうか。「ボルベール」はカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した(対象は6人の出演女優たち)し、ペネロペはこれでアカデミー主演女優賞にも初ノミネートされたのだから。
本作で披露した歌が吹き替えだということはすぐ分かったが、なんと彼女は「付け尻」をして演技していたそうである!これには全然気がつかなかったなぁ。
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