舞妓Haaaan!!!
評価:C-
劇団「大人計画」の座付き作家でもあるクドカン(宮藤官九郎)のオリジナル・シナリオによる映画である。大人計画の看板俳優でもある阿部サダヲ(芸名は阿部定に由来する)初主演作でもある。
押しなべて、クドカンのシナリオは原作付き(脚色)の方がオリジナル(脚本)よりも断然出来が良い。「GO」然り、「ピンポン」然り。ヒットしなかったけれど「真夜中の弥次さん喜多さん」(クドカン監督、原作:しりあがり寿)も好きだったなぁ。
クドカンのオリジナルが駄目なのは最初から最後まで超ハイ・テンションで突っ走ってしまうところ。一本調子で途中で飽きてしまう。観客だって上映時間の途中で息抜きが欲しい。「舞妓Haaaan!!!」なんて、もうタイトルからして躁状態。映画の半ばで疲れ果て、「もういいよ」という気分に陥った。
宮崎 駿監督のアニメーションを例に挙げよう。宮崎アニメの魅力のひとつはアクション場面の高揚感、そして飛翔感。しかし、それだけではない。もくもくと上昇する入道雲、草原で仰向けになってルパンが「平和だねぇ〜」と呟く場面(ルパン三世 カリオストロの城)。動の前に置かれた静があるからこそ、それが生きるのだ。
緩と急の使い分け。これこそが今後、クドカンが習得しなければならない課題だろうと僕は考える。
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