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2007年6月21日 (木)

THE QUEEN

評価:C+

ダイアナの死を契機に、混乱する英国王室の人間模様を描く映画である。ドラマらしいドラマはダイアナの死亡事故しかない(それも直截的に描かれるわけではない)ので、いささか退屈な展開である。

結局これはアカデミー主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンの威厳に満ちた演技を見るために存在する作品といえるだろう。本作で彼女はエリザベス2世を演じているが、実はテレビのミニ・シリーズ「エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜」(2006)ではエリザベス1世を演じ、エミー賞で主演女優賞を受賞している(この作品は9部門受賞し、これはエミー賞の最多記録である)。WOWOWで放送されたので僕も観たが、ミレンは"THE QUEEN"とは全く異なる役作りで見事に両者を演じ分けていた。

映画でエリザベス女王が語るように、死亡時点でダイアナはチャールズと離婚が成立していたわけだからダイアナの死に対して、王室が半旗を掲げたり弔意を表する必要は全くないと僕も想う。しかし、世論に圧されて王室は態度を改めざるを得なかった。結局、ダイアナの美貌がエリザベス女王を屈服させたのである。ミュージカル「エリザベート」の中で、皇帝フランツ・ヨーゼフが皇后に対して「君の美貌が武器になる」と歌う場面があるのだが、本当にその通りなんだなと改めて思い知らせれた。美は全てを超越するのである。

ダイアナ以外の登場人物は今でも殆ど生きているわけだが、映画で一番気の毒に想えたのはブレア首相夫人。あそこまで悪意を持って描かれて本人は傷つかなかったのかな?皇族というのは法律的な意味での国民に当たらず、戸籍がないのだから当然基本的人権もない。だからどう描いても構わないだろうけれど、ブレア夫人は民間人。僕が彼女の立場だったら名誉毀損で訴えるだろうなぁ。

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