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2007年6月29日 (金)

プレステージ

評価:C-

時間が逆走するインディーズ系映画「メメント」で世間をあっと驚かせ、「バットマン・ビギンズ」では時間を錯綜させながら面白い娯楽大作も撮れることを示したクリストファー・ノーラン監督の新作である。

「プレステージ」もノーランが脚色を担当しており、現在から過去へ行ったり来たりする凝った構成になっている。しかし如何せん今回はお話が詰まらないのでいつもの手が有効に機能していない。

マジシャン対決の物語である。虚構の世界を守るために、次第に現実世界にも虚構が侵蝕してくる。マジシャンの狂気を描きたいという意図は分かる。しかしそれなら映画の後半に明らかになってくるSF的要素はあえて必要ではなかったのではなかろうか?SFに頼らなくてもトリックで同様の結末に導けた筈なのに……。つまらぬ小細工をして傑作になり損ねた。惜しい。

ヒュー・ジャックマンという役者は、ミュージカルで歌っているときは格好良くて素敵なのだけれど(「ボーイ・フロム・オズ」でトニー賞主演男優賞も受賞している)、どうも普通に演技していると精彩を欠くんだよね。是非彼はミュージカル映画に主演してもらいたい。

クリスチャン・ベールは「バットマン・ビギンズ」では輝いていたが、今回は凡庸な印象。それからセクシー・ダイナマイトの代名詞スカーレット・ヨハンソンも出ているのだが、無駄にゴージャスという虚しさが後を引いた。

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