ツォツィ
評価:B
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2006年アカデミー外国語映画賞を受賞した南アフリカとイギリスの合作である。アフリカ大陸に初めてのオスカーをもたらした。舞台はヨハネスブルク。AIDSと貧困にあえぎ、ストリート・チルドレン、少年ギャングに溢れかえる街。原作者のアソル・フガードは白人である。多分その所為だと想うが、この映画は黒人の少年(最近、アメリカでは「黒人」ではなく「アフリカ系アメリカ人」と呼ぶのが流行っているが、この場合どうなるのだろう。アフリカ系アフリカ人?)が主人公なのだが、映画はキリスト教の価値観で全体が貫かれている。テーマはずばり「贖罪」。血塗られたツォツィ(不良という意味)に救いはあるのか?というお話だ。だから「レ・ミゼラブル」を書いたビクトル・ユーゴーに精神的に近いものを感じた。
少々話が出来すぎという気はするし、キリスト教的観念が異教徒にも通用するのかという疑問もあるが、感動的で完成度の高い作品であることは確かである。映画の終盤で近くに坐っていた女性が、号泣して激しくすすり上げていたのは些か引いたが。
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