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2007年5月14日 (月)

ブラッド・ダイアモンド

評価:A

あたかも「インディー・ジョーンズ」のようなジェットコースタームービーを彷彿とさせるハラハラドキドキのエンターテイメントに、「紛争ダイヤ」という重厚な社会派テーマを包み込み、実に見応えのある映画に仕上がっている。エドワード・ズウィック監督は「ラストサムライ」でも感心したが、異国を舞台とした武骨な物語にその真髄を発揮する。「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」を撮った巨匠デビッド・リーンに似た匂いを彼のフィルムは放っている。

レオナルド・ディカプリオを僕が初めて観たのは「ギルバート・グレイプ」(1993)である。その時彼はまだ十代だったが、実に繊細で傷つきやすい青年を瑞々しく演じ、鮮烈な印象を覚えた。これでアカデミー助演男優賞にノミネートされたのは必定であったと想う。

しかしその後の彼は、童顔である自分をいかに克服し大人の役者に脱皮するかという苦悩の日々であったような気がする。「アビエーター」のハワード・ヒューズ役なんか全く似合っていなくて痛々しいほどだった。

今回のレオは一味違った。肉体改造に見事成功し、逞しく変貌した。そこには男らしい大人の役者の姿があった。

ジェニファー・コネリーについても一言。彼女は美少女の代名詞のような娘だった。「ラビリンス 魔王の迷宮」(1986)に時めいたのはもう、はるか昔になりにけり。映画デビューした「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(1984)の時はまだ13歳だぜ!?成長して消えてゆく子役が多い中(例えば「ペーパー・ムーン」でアカデミー助演女優賞を受賞したテイタム・オニール、弱冠10歳)、よくぞ生存競争に勝ち抜き、いい女になったものだと感慨ひとしおである。

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