華麗なる恋の舞台で
評価:B+
オフィシャル・ページはこちら。
なんと言ってもこれはアネット・ベニングのための映画である。大女優の貫禄。素晴らしい。文句なし。彼女は本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたが結局、辛気臭い「ミリオンダラー・ベイビー」のヒラリー・スワンクが受賞した。これは明らかなミス・ジャッジ。アネットこそ受賞すべきだった。軽やかなコメディなので過小評価されたのであろう。喜劇より悲劇の方が偉いなんて誰が決めたんだ??実に愚かしい。<コメディではオスカーは受賞できない>というジンクスは、そろそろ蹴散らかされるべきである。
本作は舞台女優が主人公のいわばバックステージものなのだが、思い起こせば監督のイシュトヴァン・サボーが故国ハンガリーで撮った出世作「メフィスト」(1981、アカデミー外国語映画賞受賞)も劇場が舞台であった。こういうのを撮らせるとこの人、まさに水を得た魚だな。
アネットが新人女優を苛めるのも、全く陰湿ではなく痛快である。実に清々しく、かつ華やかな女性映画だ。
| 固定リンク | 0
「Cinema Paradiso」カテゴリの記事
- ゴジラ-1.0(2023.11.17)
- 【考察】なぜ「君たちはどう生きるか」は評価が真っ二つなのか?/ユング心理学で宮﨑駿のこころの深層を読み解く(2023.07.28)
コメント